【バグダッド/イラク 20日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は19日、イラク開戦から4周年を迎えるにあたり、ホワイトハウスで声明を発表した。
 「この作戦は初期段階であり、成功までには数か月かかる。米軍が早期に撤退すれば、悲惨な結果になる」との発言は、イラクの駐留米軍に少なからぬ衝撃を与えた。

 19日夜、夜間外出禁止令が発令されたバグダッドの街路をパトロールしていた米軍第9機甲連隊は、「今年10月末までの2年間の任期がさらに延長される可能性」を司令官から伝達され、がっくりとうなだれた。

■募る兵士の不満

 兵士たちが乗った軍用車両は、道端に車が停まっていると、猛スピードでその脇を通り過ぎる。その車に爆弾が仕掛けられている可能性があるからだ。彼らは、口々に不満をもらした。

 「俺たちは、一刻も早くここ(イラク)から出たいのに」

 「イラク軍がおじけづいているから、俺たちはこんな所で死ぬ羽目になるんだ」

 「イラク人の95%は善人で、残り5%は悪人だ。95%の善人は気弱すぎて、5%の悪人に立ち向かうことができない」

 「ブッシュは、すべての死刑囚をここに連れてきて、テロリストと戦わせるべきだ。死刑の手間が省けるだろう。俺たちはもうたくさんだ」

 次のように皮肉る者もいた。
 「ブッシュもここに来て戦えばいい。俺の月給1000ドル(約11万8000円)は彼にくれてやり、俺は故郷に戻る」

 夜間作戦の司令官を務めるBrian Long少佐は、「彼らが怒るのも無理はない」と理解を示す。
 「兵士らのなかには、幼ない子供を故郷に残してきた者もいる。彼らにとっては、子どもの成長期のうち2年間が空白。だが、この2年間は二度と取り戻すことができない」

 少佐は、兵士たちの毎日を1993年の映画『恋はデジャ・ブ(Groundhog Day)』に例えた。この映画では、同じことばかり続く日常に退屈している主人公が描かれる。
 「毎日が同じことの繰り返しで、状況はまったく変わらない。そうした日常は辛いものだ。家に帰り家族に会う。みな、それだけでいいのだ」

■米軍駐留を必要とする向きも

 一方、米軍によるイラク駐留の継続は不可欠だと考える兵士もいる。第9機甲連隊のChristopher Dawson小隊長は、「暴力が減少するなど、効果は出始めている。われわれは現在、イラク国民自身がイラクの治安を守れるよう、彼らを訓練しているところ。彼らの未来は、彼ら自身が握っている」と語る。

 しかし米兵の大半は、イラク国民を対象とした19日の世論調査の結果を受け、自分たちの存在にますます疑問を抱くようになっている。この調査はBBCABCARD German TVUSA Todayの委託により実施されたもので、米軍および多国籍軍を「信頼している」と答えたイラク国民はわずか18%。78%もの国民が「信頼できない」と回答した。

 兵士の1人は、「俺たちが誰にも必要とされていないのなら、明日にでもイラクを去りたい気分だ」とつぶやいた。

 しかし、彼らを必要とするイラク人も少なからずいる。バグダッド郊外で倉庫のガードマンをしているSalam Ahmedさんは、次のように語った。
 「米軍は、ここに100年間いてくれてもいい。彼らが出て行ってしまったら、俺は悪党どもに殺られてしまう」

 写真は2-12歩兵大隊の兵士ら。(c)AFP/David FURST