写真はヨルダン川西岸北部のジェニンで28日、射殺されたイスラム聖戦の幹部および民兵らが乗っていた車両を調べるパレスチナ人ら。(c)AFP/SAIF DAHLAH
【ジェニン/パレスチナ自治区 1日 AFP】ヨルダン川西岸北部で武装勢力に対する大規模な一斉取り締まりが実施される中、イスラエル軍特殊部隊は2月28日、同地域の都市ジェニン(Jenin)で車両に乗って移動中のイスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad」の幹部Ashraf al-Saadi氏(25)および民兵2人を射殺した。
イスラエル治安当局によると、イスラエル軍は同日、民兵の拘束を目的にジェニンに進攻、それを目撃した民兵らが発砲した直後、攻撃を開始した。
攻撃の際、同幹部および民兵の1人は即死。残る民兵1人は、負傷して車両から出たところを特殊部隊兵によりピストルで頭を撃たれ殺害されたという。この攻撃後、特殊部隊は車両30台でジェニン市内の難民キャンプに移動、数時間にわたり他の民兵らの徹底捜索を実施した。
イスラエル治安当局は、殺害された3人がイスラエル軍に対する自爆テロ攻撃を計画・実行に関与していたと指摘。また、前週にテルアビブ(Tel Aviv)で起きた自爆テロ未遂事件も、同じくイスラム聖戦が関与していたとみている。
これを受けてパレスチナのイスラム聖戦側は、ガザ地区(Gaza Strip)からロケット弾5発を発射し、ネゲブ(Negev)砂漠に設置されている柵を破損させるなどの被害を与えた。
この攻撃についてイスラム聖戦は「イスラエルが犯した罪に対する当然の報復。イスラム聖戦の幹部らをジェニンで殺害されたことを受けて我々が起こした最初の行動だ」と述べている。
さらに、「イスラエルが理解できる言葉は『暴力』だけ」として、ハマス(Hamas)の軍事部門イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam)に、「パレスチナ人を守るためイスラエルへの報復措置を要請する」との声明を発表した。
21日にも、イスラエル治安部隊はテルアビブ(Tel Aviv)で、ジェニン近郊の村出身のイスラム聖戦の工作員を自爆テロ未遂の容疑で逮捕している。
また、イスラエル当局は西岸第2の都市ナブルス(Nablus)を2日間の包囲した後、撤退。その24時間後、ジープや装甲車など計100台近くの車両を送り込み、市内にいる民兵の大規模な強制捜査を再開した。
現在、長く停滞している中東和平プロセスの再開に向けて、米国主導による交渉が行われている。こうした中、パレスチナは「イスラエル当局の一連の軍事作戦は、和平プロセス再開の努力に脅威を与えるものだ」として、非難している。
写真はヨルダン川西岸北部のジェニンで28日、射殺されたイスラム聖戦の幹部および民兵らが乗っていた車両を調べるパレスチナ人ら。(c)AFP/SAIF DAHLAH