【パリ/フランス 6日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、戦闘員、メッセンジャー、ポーター、コック、性的奴隷として紛争に駆り出されている18歳以下の少年少女は、世界中で25万人以上いるとみられると発表した。ユニセフと仏政府は、5日から2日間の日程で、こうした少年少女を保護し社会復帰させるための方策を話し合う会議、「Let US Free the Children of War(戦場から子どもたちを解放しよう)」をパリで開催している。

 以下は、会議初日のレポート。

 少年らは、戦いの準備をしている。決して遊びではない。彼らはれっきとした兵士である。戦闘で戦い、料理を作り、物資を運び、そして兵士を性的に慰安する子供たち。彼らの苦境は世界最大の悲劇と言ってもよく、想像に絶するものがある。彼らは、上官の命令とあらば、どんなことでもしかねない。

 ユニセフのアン・ベネマン(Ann Veneman)事務局長へのインタビュー(15秒):

 「少年兵を徴用しているのは、たいてい、政府や正規の軍隊ではなく、反政府組織です。つまり、政府に反抗し、いかなる法律にも従わず、いかなる規則をも破る連中です。したがって、この問題の解決には全員が一丸となって取り組むことが非常に大切です」

■ 必要とされる社会復帰への取り組み

 約60か国が参加した今回の会議では、子供たちの紛争への徴用を防止し、さらには少年兵を社会復帰させるための方策が協議されている。また、少年兵を徴用した人物を法で裁くことの徹底化も重要視されている。

 フィリップ・ドストブラジ(Philippe Douste-Blazy)仏外相へのインタビュー(23秒):

 「60か国、NGO、国連(UN)、そしてユニセフが共同で、初めて、少年兵を徴用した戦争犯罪人のリストを作成しています。このリストを国際刑事裁判所に提出し、独裁者や殺りく者を法の裁きにかけます」

 同裁判所で初めて裁かれるのは、コンゴ民主共和国(旧ザイール)のコンゴ愛国者同盟(Union of Congolese Patriots、UPC)指導者であったトマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)容疑者。ルバンガはコンゴの内戦時に15歳以下の少年を誘拐し、UPCの戦闘員として従軍させていた容疑をかけられている。