写真は2日、バンコク市内の列車駅を巡回するタイ軍兵士。(c)AFP/PORNCHAI KITTIWONGSAKUL
【バンコク/タイ 2日 AFP】31日に同時爆弾テロが発生したタイの首都バンコク(Bangkok)で、新年の休暇を郷里で過ごした数十万人の帰京ラッシュが始まった。4日間の休暇が終わった2日、暫定政府は全国および首都のバス・ターミナルや列車の駅、空港などの主要交通施設に、捜査犬や治安部隊を配置して警戒態勢を強化している。
■テロはタクシン前首相支持派によるものか
バンコクでは31日、8件の同時爆弾テロが発生。3人が死亡、外国人観光客を含む38人が負傷した。9月にタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)前首相が無血クーデターで失脚して以降、バンコクで初めて発生した爆弾事件だった。
クーデターを指揮したソンティ・ブンヤラガリン(Sonthi Boonyaratglin)陸軍司令官は、タクシン支持派の政治家らが国内の不安定化を狙って起こしたものだと非難、関係者4人を事情聴取のため軍部に召還した。北京に亡命中のタクシン首相は、事件への関与をいっさい否定している。
年末のバンコクの爆発現場の中には、市内の5つ星ホテル集中地区が2か所含まれていた。バンコク市長や各国大使館は、観光客や住民に、市内での外出を控えるよう呼びかけているが、警告に従う者はほとんどいない。130億ドルを稼ぎ出すタイの観光産業への事件の打撃が懸念されているが、関係筋によると爆弾テロを受けて急遽キャンセルされた旅行は、現在までにはないという。
■Uターンラッシュが予想される航空機、バス、列車の警戒レベルを最高に
2006年秋にオープンしたバンコク新国際空港(スワンナプーム空港)など、全国の空港には厳戒態勢が敷かれた。タイ空港公団(Airports of Thailand)のChotisak Asapaviriya総裁は、「12月初旬から全国の空港の警戒レベルを最高に上げた。特にスワンナプームには現在警備員2000人を配備し、爆弾探知犬を派遣した」という。北部チェンマイ(Chiang Mai)や南部 ハジャイ(Hat Yai)などの空港では、軍が警備態勢を支援している。
タイ国内の都市間バス全線を運営する公社によると、バンコク周辺の主要ターミナルは兵士や警官が警備している。Wuthichart Kalyanamitra総裁代理は、「すべてのターミナルは100%安全。各ターミナル長にはすべての荷物の検査を、警備員にはすべてのバスの巡回を指導した」と語った。
2日、バンコクにバスで到着する利用者は約20万人に上る見込みだ。また12万人が列車で帰京するとみられている。タイ国有鉄道(State Railway of Thailand)のMonthakarn Srivilas広報官によると、「通常の職員に加え、さらに特別鉄道警察官200人を投入した。列車内および各駅の巡回にあたっている。また有線テレビで各駅を監視、爆弾探知犬も派遣した」という。
タイでは南部のマレーシア国境付近で、反政府勢力による連続爆弾テロや放火事件が頻繁に発生しているが、それらの目的は殺傷ではなくパニック状態を引き起こすためであることが多く、今回のバンコクの同時爆弾テロとは性格を異にしている。
写真は2日、バンコク市内の列車駅を巡回するタイ軍兵士。(c)AFP/PORNCHAI KITTIWONGSAKUL