【ベルリン/ドイツ 25日 AFP】アフガニスタンに駐留中の独軍兵士が、頭蓋骨を手にふざけている写真が、25日付の独大衆紙「ビルト(Bild)」に掲載された問題で、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は同日、厳しい処置をとると約束した。Thomas Steg政府報道官は、「首相は、写真を見て衝撃を受け、気分が悪くなったと語った」と述べ、同首相は軍首脳部に対し厳罰をもって処するよう要請したと付け加えた。
■「頭蓋骨」をもてあそぶ独軍兵士
問題の写真は、NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)に参加している独軍兵士4人が、戦利品よろしく頭蓋骨を掲げているもの。「ビルト」によれば、写真は2003年3月に撮影されたものだという。写真の中には、「独国旗とISAFの文字が記された警備車両の前部に、兵士が頭蓋骨を引っかけているもの」や、「迷彩服と防弾チョッキを着用した兵士が、頭蓋骨を露出した性器に近づけているもの」などがあった。
ビルトによると、この頭蓋骨はカブール(Kabul)郊外の砂利採掘場で、巡回中に兵士らが見つけたものだという。しかし、国防省は声明で、カブール南部の墓地から、風雨で露出したものを持ち出した可能性もあるとしている。
国防省はすでに内部調査を開始し、兵士2人を事情聴取したと発表。Wolfgang Schneiderhan連邦軍参謀長は、記者会見で、「事情聴取を受けたのは予備役兵1人と下級士官1人で、2人とも南部バイエルン州のミッテンワルト(Mittenwald)基地に所属していた。1人は今も現役の兵士で、もう1人はすでに退役している」と語った。また、同参謀長は、2人の内の1人は掲載された写真を見て、自ら名乗り出てきたとも述べた。
■国内や軍内部からも、批判が続出
フランツ・ヨゼフ・ユング(Franz Josef Jung)防衛相は報道陣に対し、「写真を見て不快感と当惑を感じた」と発言。「独軍兵士によるこのような振る舞いは、許されない。我々が連邦軍兵士に求めている価値観や行動規範に反する行為だ。このような人物が独連邦軍に在籍する余地はない」として、この件に関係した兵士を軍から追放する可能性もあると警告した。
ポツダム(Potsdam)州検察当局は、「死者の平穏を乱した罪」で、この問題を刑事事件として捜査を開始したと発表した。
また、独の有力な兵士組合のBernhard Gertz組合長は、これらの写真を米軍によるイラク・アブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所の収容者虐待と比較し、「どちらの事件も、人間の尊厳に対する配慮が欠けていることを意味している。独軍にとって大きな痛手だ」と語った。
■今後のアフガニスタン駐留軍への影響は?
アフガニスタンに詳しい、ボンの開発研究センター(Centre for Development Research in Bonn)のConrad Schetter氏は、「イスラム教徒にとって、遺骨を冒とくする行為以上に、許し難い行為は、まずないだろう」と述べ、今回の事件により、イスラム諸国に展開する独軍への攻撃が激化する危険を指摘する。
独内閣は、事件が発覚する数時間前に、米軍主導のテロ掃討作戦「不朽の自由作戦」(Operation Enduring Freedom)へ、兵士の派遣を12か月延長すると決定したばかり。活動を激化させているタリバン(Taliban)に対抗するため、アフガニスタンへの特殊部隊(KSK)展開も検討されていた。国防省では、1994年以来となる「国防白書」を発表し、国際平和維持活動へのより積極的な参加をめざしていた矢先だった。
ドイツは現在、アフガニスタンに展開する多国籍軍中、2番目に多い2750人を派遣し、北部でのISAF指揮権を預かっている。 連邦議会下院は9月に、アフガニスタンへの派兵を2007年10月まで延長すると議決を採択した。
写真はベルリンで、問題の事件が掲載された「ビルト」紙を読むジャーナリスト。(c)AFP /MICHAEL KAPPELER
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