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イスラエル軍進攻>停戦のかたわら、安全地帯設置をもくろむ軍 - イスラエル

  • 2006年07月31日 12:30 発信地:イスラエル
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写真はカナ空爆で、少女の遺体を抱きかかえる男性(30日撮影)。AFP/NICOLAS ASFOURI

【エルサレム/イスラエル 31日 AFP】イスラエル政府が空爆の一時停止に同意した。
 30日、子どもを含む57人の民間人が死亡したレバノン南部カナ(Qana)への空爆事件で、国際社会が「戦争犯罪ではないか」との強い批判と懲罰の警告を発したことを受けての判断とみられる。

 48時間の空爆停止は、米国務省が声明で発表した。中東を訪問中のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官とイスラエル高官との深夜会議の直後、アダム・エアリー(Adam Ereli)副報道官が記者団に向け、カナの空爆事件の現地調査を行う間、「イスラエルはレバノン南部への空爆を48時間停止することに合意した」と説明。
 停戦は即時に実行されたほか、イスラエルは国連(UN)と調整してレバノン南部から避難する民間人の「安全な通行」を24時間保証すると述べた。

◆正当化できないカナ空爆

 カナは、イエス・キリストが水をワインに変えたとの逸話が残る地。1996年4月には、やはりヒズボラ(Hezbollah)掃討を目的としたイスラエルによる国連施設空爆で105人の死者を出している。今回のカナ空爆は、国連による72時間の人道的停戦要求をイスラエルが拒否した直後に起きた。
 警察当局によると、30日未明の空爆では子ども30人を含む52人が死亡。破壊された家屋に多数の村人が立ち往生しているという。レバノン南部選出のバヒヤ・ハリリ(Bahia Hariri)議員は、「死者のうち15人は障害児だった」と語った。

 イスラエルを支持している米国は、カナへの空爆を「恐ろしい事件」だとし、イスラエル側に自制を要請した。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は、「今日、中東で起きた事件によって、米国とその友人である同盟国が持続的な平和を、とくに子どもたちのために実現するよう努力しなければならないことを改めて実感した」と述べた。

 レバノンのフアド・シニオラ(Fuad Siniora)首相は、カナの事件を「戦争犯罪」だと非難し、即時停戦を要求。ヒズボラの報復は「もっともなこと」だと述べ、「(ヒズボラの指導者である)ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師とレバノン独立のため命を捧げたすべての人々に感謝する」と、ヒズボラの戦闘員に言及した。
 ヒズボラは「この恐ろしい虐殺は、他の事件と同様に、必ず報いを受ける」との声明を出している。
 カナ空爆には、アラブ世界をはじめ、英国でも「非常に恐ろしい」として強い批判が噴出している。ハビエル・ソラナ(Javier Solana)欧州連合(EU)外交・安全保障上級代表が「一切正当化はできない」と述べたほか、シリアは「国家テロ」と表現した。

◆レバノン南部に安全地帯の確立を目指す

 イスラム教シーア派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)に対しイスラエルが攻撃を開始してから最悪の惨事となった今回の事件について、イスラエルは「深い遺憾の意」を表明し、調査を命じた。 しかし住民に対してはあらかじめ退避勧告をしていたと述べ、カナをロケット弾発射拠点にしていたヒズボラに責任があるとした。

 イスラエル政府筋によると、エフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は「停戦は急がない」と語り、ライス国務長官に対し、ヒズボラ相手にはさらに10~14日間の攻撃継続が必要だとの見解を示したという。
 イスラエル軍は独自の声明で、2日までにレバノン南部に「安全地帯」を確立すると述べた。「水曜日(2日)までに、建物もヒズボラも存在しない幅2キロの安全地帯を設ける」とGadi Eisenkaut将軍が記者団に語った。イスラエル軍は数千人の予備役兵を招集しているが、レバノン占領については否定している。

◆犠牲者の3分の1は子ども

 レバノン南部の港町ティール(Tyre)周辺の数十か所の村も、イスラエルの陸海空軍による爆撃を受けた。シリア国境のMasnaa検問所も空爆され、ダマスカス(Damascus)とベイルート(Beirut)を結ぶ主要道路は通行止めとなった。

 モハマド・ハリファ(Mohammed Khalifeh)保健相は、この紛争ですでに750人が死亡したと発表。AFPの試算では死者は500人以上で、国連によれば犠牲者の3分の1は子どもだ。シニオラ首相は、即時停戦以外の紛争調停には一切応じない姿勢だ。
 これまでに死亡した多くはレバノン南部から避難しようとした一般市民。イスラエル当局は、レバノン南部からイスラエル北部の町に向け1日の発射数としては過去最高となる156発以上のロケット弾が発射され、5~14人が負傷したと発表した。
 停戦発表の直前、イスラエル軍は国境近くの無人地帯を空爆したが、この空爆の犠牲者は報告されていない。

 一連の空爆は、ナスララ師が「イスラエルがレバノン市民への攻撃をやめないかぎり、イスラエルへの攻撃を続行する」と宣言したことを受けて行われた。四半世紀におよぶイスラエルとヒズボラとの確執で、数万人が家を追われ、空爆でレバノンの社会基盤に甚大な被害が出ている。
 写真はカナ空爆で、少女の遺体を抱きかかえる男性(30日撮影)。AFP/NICOLAS ASFOURI
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