【3月13日 AFP】13日に開幕する世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2013)では、浅田真央(Mao Asada)と金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)の直接対決となる女子シングルの金メダル争いや、大会2連覇を果たしている男子シングルのパトリック・チャン(Patrick Chan)に注目が集まる。

 世界のトップ選手が集う今回の世界選手権は、2014年に行われるソチ冬季五輪の各国の出場枠が決まる大会ということもあり、各種目のライバル同士が同五輪の優勝候補に名乗りを上げようと、今まで以上に激しい争いを繰り広げることが予想される。

 大会は初日にはペアと男子シングルのショートプログラム(SP)が行われる。

■浅田と金妍児が2年ぶりに対決

 2008年と2010年大会を制した浅田、そして2009年大会とバンクーバー冬季五輪を制覇した金妍児の2人は、それぞれの母国でスーパースターとなった。

 好調の浅田がこのところの連勝を伸ばそうと3度目の優勝に挑むのに対し、約2年間の活動停止期間に入っていた金妍児は、今大会で国際スケート連盟(International Skating UnionISU)の主催大会への本格復帰を果たす。

 金妍児は、今大会に向けて出場した国際B級大会のNRW杯(NRW Trophy 2012)では健在ぶりを見せつけた。ドイツ・ドルトムント(Dortmund)で2012年12月に開催された同大会で、金は200点越えの高得点を出し、ジャンプ、演技力ともにまったく衰えていないことを証明した。

 一方の浅田も過去2年間苦しんだジャンプに改善がみられ、今季はISU主催大会で無敗を守っており、トリプルアクセルを成功させてグランプリ(GP)ファイナルと四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2013)で優勝し、調子を取り戻している。

 女子では他に前回大会王者のカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner、イタリア)がかつてない好調な滑りを見せているが、連覇は難しいとみられており、鈴木明子(Akiko Suzuki)、アシュリー・ワグナー(Ashley Wagner、米国)らとともに3位を争う可能性が高い。

■高橋、羽生の挑戦を受ける王者チャン

 一方、男子シングルのチャンは、昨年夏にモダンダンスのインストラクターをコーチにして周囲を驚かせたが、今季のグランプリシリーズでは苦戦が続いた。さらにライバルのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez、スペイン)、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)、高橋大輔(Daisuke Takahashi)らも4回転ジャンプを積極的に取り入れるなどそれぞれにレベルを上げており、ここ2年間は圧倒的な強さを見せていたチャンとの差を縮めている。

 チャンは今季について「良くなかった」と認めつつ、世界選手権へ向けては自分を取り戻し、集中力を再び高めて、優勝のために何を改善すべきかをじっくり考えてきたとコメントした。

「五輪に向けて、この世界選手権で勝てたら最高だと思う。ここで優勝して波に乗れたらいいね。母国カナダのロンドン(London)で行われる大会だからなおさらだ。それに、ここでソチ(Sochi)へ向けた波に乗れたら、五輪本番でも大きな自信を持って氷の上に立てると思う」

(c)AFP/Laurie Nealin