【12月10日 AFP】(記事更新)フィギュアスケートの浅田真央(Mao Asada)の母である浅田匡子(Kyoko Asada)さんが9日、亡くなった。

 浅田は8日、体調を崩していた母親の病状悪化を理由にグランプリ(GP)ファイナルを欠場すると発表し、帰国の途に就いていた。

 匡子さんの死は、9日に開幕したGPファイナル出場選手と関係者にも悲しみをもたらした。

 アイスダンスのショートダンス(SD)で首位につけた米国のメリル・デイビス(Meryl Davis)/チャーリー・ホワイト(Charlie White)組は、「演技の前に、真央の母が亡くなったという本当に悲しい出来事を理解しようと2人で話し合った。選手はスケートが大切で全力を注いでいるけれど、このような時には何が本当に大切か考えさせられる」とコメントした。

 デイビス/ホワイト組は、今年7月に日本で開催されたアイスショーで小塚崇彦(Takahiko Kozuka)と共に浅田と共演しており、「真央はとても素敵な女の子で、彼女と親しくない選手にとっても身近な存在だと思う。選手はみんな同じようなスケート漬けの人生を送っているから、精神面も似ている。だからその中の誰かがスケートよりも優先すべき出来事に直面すると、スケートを好きでやっていることに気付かされるし、何らかの形ですべての選手に影響を及ぼすと思う」と語った。

 日本スケート連盟(Japan Skating Federation)の松村達郎(Tatsuro Matsumura)氏は「選手全員に悲報を知らせました。みんな大人ですので理解を示してくれました。これまでと変わらず、自分たちの演技に集中してくれるはずです」と話した。

 女子シングル・ショートプログラム(SP)で2位につけた鈴木明子(Akiko Suzuki)は、演技に臨む前に訃報を知ったと明かし、「演技に影響が出たかはわからない。でも、私がすべきことはいい演技を披露することだと思い、演技に入る時に気持ちを切り替えた」と話した。

 カナダスケート連盟(Skate Canada)は「浅田は優勝候補だった。ケベック(Quebec)で彼女の演技を見れないのは残念だが、私たちの気持ちは彼女と彼女の家族と共にあります」とコメントし、哀悼の意を示した。(c)AFP/Laurie Nealin