【2月26日 AFP】(写真追加、記事更新)2010年バンクーバー冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・フリースケーティング(FS)。ショートプログラム(SP)で首位だった韓国の金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)が、FSでも首位となる150.06点を記録し、歴代最高の合計228.56点で優勝した。

 2009年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2009)女王の金妍児は、ロイヤルブルーの衣装に身を包み、ジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)の『ピアノ協奏曲へ長調(Concerto in F)』に乗せて冒頭から3つの3回転ジャンプをそろえると、約4分間のルーティーン中、全6回の3回転ジャンプを含む11度のジャンプを成功させ、会場に集まった1万1000人以上の観客を魅了し、演技終了後には目に浮かんだ涙をぬぐった。

 2008年の世界選手権女王の浅田真央(Mao Asada)は、セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)の『鐘(The Bells)』に乗せたルーティーンで金妍児の直後に演技するという難しい課題に臨んだ。

 闘争心を見せる浅田は、ダブルトーループとのコンビネーションを含む2度のトリプルアクセルを成功させたが、中盤にトリプルフリップで両足を着氷し、その後のトリプルトーループが1回転になってしまうなど、合計205.50点で銀メダルを獲得した。

 21日にバンクーバーを訪れていた母テレーズ(Therese)さんを心臓発作で亡くしたカナダのジョアニー・ロシェット(Joannie Rochette)は、カミーユ・サン・サーンス(Camille St. Saens)の『サムソンとデリラ(Samson et Dalila)』にあわせてスケートし、合計202.64点で銅メダルを獲得した。

 ジャンプでは2度ほど両足着氷を犯したロシェットだったが、カナダ人選手としては1988年カルガリー五輪のエリザベス・マンリー(Elizabeth Manley)さんの銀メダル獲得以来となる表彰台入りを果たした勇敢な演技に、観客は総立ちとなった。

 日本勢は安藤美姫(Miki Ando)が合計188.86点で5位、鈴木明子(Akiko Suzuki)は合計181.44点で8位入賞を果たした。また、米国の長洲未来(Mirai Nagasu)は合計190.15点で4位に入った。(c)AFP/Emmeline Moore