【6月20日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2011)開幕を20日に控え、世界ランク1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がロンドン(London)で19日、記者会見を行った。

■フェデラーの記録に追いつくのは「夢」

 ナダルは、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の積み上げた四大大会(グランドスラム)における通算16度の優勝に追いつくことは未だに「夢」だと語った。

 この1年間に行われたグランドスラムでは4度の優勝を飾り、通算優勝回数を10としたナダルは、今大会でその数字を11に伸ばそうとしている。

 オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ (All England Lawn Tennis and Croquet Club、ウィンブルドン選手権の会場)で優勝を果たせば、ナダルは通算優勝回数でビョルン・ボルグ(Bjorn Borg、スウェーデン)氏やロッド・レーバー(Rod Laver)氏と肩を並べることとなる。

 通算12勝にはロイ・エマーソン(Roy Emerson)氏、同14勝にはピート・サンプラス(Pete Sampras)氏がおり、その上には同16勝のフェデラーがいる。

 フェデラーの記録も視野に入るのではないかという質問にナダルはこう答えた。「ロジャーの16勝は遠いよ。16勝って大きいよ。いろいろなことを夢見ることはできる。僕にとって16勝は夢だ。あなたにとっては違うようだけれどね」

■四大大会3連続優勝、再現の可能性は?

 全仏オープンテニス(French Open 2010)、ウィンブルドン選手権、そして全米オープン(The US Open Tennis Championships 2010)の3大会で優勝を飾り、目を見張る2010年を過ごしたナダルは、2011年の全仏オープンテニス(French Open 2011)で連覇を達成した。しかし昨シーズンの再現できるとは思っていないようだ。
 
「グランドスラムで3連勝。僕の意見としては、去年の再現は不可能だと思う。今シーズンの流れにはとても満足しているけれど、去年成し遂げたことを繰り返すことはできないと思うんだ」

■芝のコートでも着実に強く

 全仏オープンが行われるローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)の赤土のコートでは事実上無敵のナダルは、ウィンブルドンの芝生のコートでもここ5大会で4度のベスト4入りをみせるなど、ゆっくりながらも着実に力をつけてきている。唯一ベスト4入りを果たせなかった2009年は、再発した膝のけがを理由に大会を欠場している。

「ウィンブルドンで良いプレーをすることが常に僕の夢だということを、1000回は言っている。僕の競技生活の始めのころ、多くの人が僕のテニスのスタイルでは、ここで良いプレーをするのは難しいと言っていた。ここで良いプレーをするために、競技人生の最初から全力を注いできた。大会の1週間前にここに来て、大会に備えて僕にできる限りの最大限の準備をしてきた」

 前回大会覇者のナダルは、開幕初日にセンターコートで行われるマイケル・ラッセル(Michael Russell、米国)との1回戦で連覇に向けたスタートを切る。

(c)AFP/Rob Woollard