【ロンドン/英国 22日 AFP】テニスの四大大会の一つに数えられるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を主催する全英ローンテニス&クロッケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club)が22日、6月25日から7月8日までの日程で行われるウィンブルドン選手権における賞金の男女差を撤廃すると発表したと英国各紙が報じた。

 これまで、ウィンブルドン選手権へは参加選手のみならず各界の有力者からも不満が挙がっていたが、大会運営サイドは最大セット数の差を理由に賞金の差を一貫して守り続けていた。

 国際テニス殿堂(International Tennis Hall of Fame)入りを果たしているビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)は、この問題に対して昨年、「エンターテナーの報酬は時間の問題ではない。」と批判しており、英国のテッサ・ジョウェル(Tessa Jowell)文化・メディア・スポーツ相もまたこの問題に対して「大変遺憾である。」との声明を出していた。

 2006年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)・男子シングルスで優勝したスイスのロジャー・フェデラー(Roger Federer)の賞金は655000ポンド(当時約1億4000万円)だったがこれに対して女子シングルスで優勝を果たしたフランスのアメリー・モウレズモ(Amelie Mauresmo)の賞金が625000ポンド(当時約1億3000万円)。これについて女子テニス協会(Women’s Tennis Association、WTA)のラリー・スコット(Larry Scott)会長はこの性別による賞金の差は、「社会的、政策的な声明だ。」と述べていた。

 写真は2004年7月22日、同大会・女子シングルスで優勝を飾り、トロフィーを掲げるロシアのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)。(c)AFP/NICOLAS ASFOURI/FILES