【6月4日 AFP】競泳男子背泳ぎ200メートルを世界最速で泳ぐ入江陵介(Ryosuke Irie)の速さの秘訣(ひけつ)は、プライベートで弾くピアノなのかも知れない。

 日本は2012年ロンドン五輪で金メダルラッシュを目指しており、音楽は19歳の入江の好調に一役買っている。

 7月にローマ(Rome)で開催される第13回世界水泳選手権(13th World Swimming Championships)の調整となる5日のジャパン・オープン2009(Japan Open 2009)開幕を控える入江は「リズム感が水泳のテンポに役立っていると思う」と語った。

 生後わずか数か月で水泳を始めた入江は、中学生までピアノのレッスンを受けていた。近畿大学(Kinki University)法学部に通う入江は、AFPのインタビューで「暇な時や落ち着きたい時は今でもピアノを弾く」と語っている。

 北京五輪の男子200メートル背泳ぎで5位に終わった入江は、5月にオーストラリアで行われた第1回日本・オーストラリア対抗(2009 Duel in the Pool Australia v Japan)の同種目で、デサント(Descente)社製水着を着用し世界新記録を樹立したが、国際水泳連盟(FINA)の水着認可委員会は同水着を認可せず、修正を求めている。

 国際水泳連盟は、認可されていない水着で樹立された世界新記録を無効とするか否かを未だ決定していないが、入江は公認水着で世界新記録をもう1度出せば、水着論争は丸く収まると語っている。

 世界競泳2007(International Swim Meet 2007 in JAPAN)の200メートルで1分57秒30を記録して優勝するなど、入江はすでに国際舞台を経験しており、ロンドン五輪では1988年ソウル五輪の100メートルで優勝した鈴木大地(Daichi Suzuki)氏以来となる日本人3人目の背泳ぎ五輪王者になる可能性を秘めている。

 五輪で日本競泳陣は、北京五輪の平泳ぎで2冠を果たした北島康介(Kosuke Kitajima)の2個も含め、これまで20個の金メダルを獲得している。

 入江は「ロンドンではメダルを目指しており、東京に五輪がやってくるかもしれない7年後も同じ」と日本の五輪招致に言及し、「東京五輪では26歳になっているが年齢は問題ではない。水泳選手の平均年齢が上がっているのはポジティブなことだと思う」と語っている。(c)AFP/Shigemi Sato