写真は、2004年3月29日に行われたアテネ五輪、最終予選・男子200メートル自由形で優勝を飾ったソープ。(c)AFP/Greg WOOD
【オーストラリア 21日 AFP】水泳、2000年シドニー五輪、2004年アテネ五輪で合計5つの金メダルを獲得したオーストラリアのイアン・ソープ(Ian Thorpe)が、現役引退を発表した。
火曜日に行われた記者会見で「日曜の午後2時53分に、(翌年の)世界選手権で泳がないことを決めました。」とリラックスした表情で話すと「もう一つ難しい決断をしました。水泳競技からの引退を決めました。」と引退を表明。
2000年シドニー五輪、2004年アテネ五輪で合計8つ、世界戦選手権では合計13個を獲ったソープではあるが、怪我や病気に見舞われ、モチベーションを維持することに悩まされた。ソープは会見中、今年の初めにロサンゼルスで練習を行った際に、競技者としてではなく一人の人間としての将来を考えるようになったと語る。
「体が健康になるにつれて、頭も冴えてきた。色々自問自答してきたんだ。自分自身を競技者としてだけではなく、一人の人として考えるようになった。」そして「他の言い方で言えば、(プールの底に引いてある)黒い線を見ながら何度も何度も泳いでいたのを、急に顔を上げて回りを見渡した感じがしている。」と話す。
ソープは、今まで経験してきたことを違う視点から見始めたことに気づいたとも語る。「他の疑問も沸いてきたよ。もし水泳がなかったら自分の人生どうなっていたんだろうと思った。自分にとって難しい質問だった。水泳は居心地のいい場所だったから。水泳が何よりも一番でなければいけなかったことに気づいたし、水泳を少し後ろにしてもいいかなって思ったんだ。」と語る。
引退を決断して時計を見たという事実以外は特に思い入れはないと語るソープは「記録が必要だった。(競技生活引退の)ゴールタイムが必要で、それが午後2時53分だったんだ。」と語る。
ソープは、怪我や病気により2004年のアテネ五輪以降大きな国際大会には出場していなかった。今年3月に行われた第18回コモンウェルスゲームス・メルボルン大会(Melbourne 2006 Commonwealth Games)にも伝染性単核白血球増加症により出場せず治療に専念していた。
今後、水泳に関する何らかの役割を果たしていきたいと語るがソープだが、現時点ではまだ何も決めていないと語る。「これから様々な選手として違った体験をする機会があると思う。まだ新聞の求人広告は見てないよ。元五輪選手募集とは書いてないからね。」と冗談も交えて語った。
またソープは特に多くのファンのいる日本向けて今まで受けたサポートに感謝の意を表した。「15歳の時から活躍できるようになってきて、急にスポットライトを浴びるようになった。競技生活の中で全てのライトを浴びた。想像していなかったほどの成功を経験できたし、とても感謝している。」と話す。
最後に「今までやってきたことを幸せに思うし、今までよりも今一番幸せです。」と話した。
写真は、2004年3月29日に行われたアテネ五輪、最終予選・男子200メートル自由形で優勝を飾ったソープ。(c)AFP/Greg WOOD