【9月8日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)副会長は7日、2020年夏季五輪開催地に東京が決定したのは、多くのIOC委員が確実性を選んだためと語った。

 1964年に五輪を開催した東京は、1回目の投票でスペインのマドリード(Madrid)が除外されると、決選投票では60対36とトルコ・イスタンブール(Istanbul)に圧勝した。

 10日に行われる会長選で、退任するジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長の後任の最右翼とされているバッハ副会長は、方策がどういったものであれ、IOC委員は決選投票ではっきりした選択を迫られていたと語った。

 59歳のバッハ副会長はAFPに対し「彼ら(東京)は今朝(7日)の素晴らしいプレゼンテーションで説得しました。当然の勝利です。新たな岸辺に向かうか、従来の招致へ向かうのか?東京はより伝統的な選択だった」とコメントした。

 IOC委員であるモナコ公国の元首アルベール2世(Prince Albert II)公は、2016年のリオデジャネイロ五輪の準備中の問題もあり、イスタンブールで同様の懸念のリスクを負いたくないという点が、委員に影響を与えたと述べた。

「3つの素晴らしい候補都市でした。われわれの中でも多くの議論が重ねられました。東京は安全性を確かにし、会場の建設や組織、財政面に関しての問題がありませんでした」

「トルコの地政学的な状況も影響したと思います。IOC委員は、確実な開催地を選んだ」

 決選投票で同数にならない限り、投票を行わないことになっていたロゲ会長は、「東京は、当初から技術面で非常に素晴らしいプレゼンテーションを行っていたが、イスタンブールとマドリードという強力な候補の2都市と戦わなければならなかった」と述べた。

「全3都市は、2020年に素晴らしい大会を行う力を持っていたが、最終的には東京が多くのIOC委員の共感を得た」 (c)AFP