【10月3日 AFP】(記事更新、写真追加)第121回国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)総会が2日、デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)のベラ・センター(Bella Center)で開催され、2016年夏季五輪の開催地はリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に決まった。

 開催有力候補地に挙げられ、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が出席したシカゴが最初の投票で落選し、最終候補地に残った4都市の中で唯一五輪開催を経験している東京が2回目の投票で落選した。その後行なわれたマドリードとの決選投票を66票対32票でリオデジャネイロが制し、南米で初めて五輪が開催されることになった。

 リオ(Rio)州のセルジオ・カブラル(Sergio Cabral)知事は「信じられない。圧倒された。素晴らしい」と興奮気味に語り、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は「ブラジルにとって歴史的な日だ」と語った。「私は63歳。この歳で感情的になることなどないと思っていたが、突然、誰よりも激しく涙が出てきた」。

 サッカー元ブラジル代表のペレ(Pele)氏も涙を見せた。「私は感情的な男で、結果を聞いてからずっと涙が止まらない。ブラジルだけでなく南米全体にとって素晴らしい瞬間だ。ワールドカップでもう1つゴールを決めたようなものだ」

 リオデジャネイロでは決定を知った数万人の市民がコパカバーナ(Copacabana)海岸で喜びに沸いた。

 シカゴは、オバマ大統領夫妻が現地に乗り込んだにもかかわらずIOC委員の心をとらえることが出来ず、第1回の投票で94票のうち18票しか獲得できなかった。

 ホワイトハウス(White House)のロバート・ギブス(Robert Gibbs)大統領報道官は、帰国の途についたオバマ大統領が乗った大統領専用機の機内で報道陣に対し、「ご想像いただけるかと思いますが、大統領は落胆しておられます」と述べた。

 東京の招致委員会は環境と若者に重点を置いたメッセージが成果を上げると考えていただけに、この結果にショックを受けている。就任間もない鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相が登場したのは印象的だったが、IOC委員を納得させることはできなかった。(c)AFP/Pirate Irwin

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