【6月27日 AFP】25日に自宅で家族と共に遺体で発見されたワールド・レスリング・エンターテインメント(World Wrestling Entertainment:WWE)所属のプロレスラー、クリス・ベノワ(Chris Benoit)に関し、新たな情報が伝わっている。

捜査当局は26日、ベノワがナンシー(Nancy)夫人を22日に、息子のダニエル(Daniel)くんを23日に絞殺し、トレーニングマシンを使って首を吊って自殺した無理心中の可能性があることと、遺体と共にステロイドが発見され、死因との関係を調査していることを明らかにした。

 また地元紙のアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション(Atlanta-Journal Constitution)は、タオルに包まれたナンシー夫人の遺体の横には聖書が置かれていたことを報じ、ファイエット郡のScott Ballard地方検事は地元紙のFayette Daily Newsに対し「私に説明できることは『奇妙な事件』だということだけだ。7歳の息子を殺しただけでなく、遺体と共にしばらく過ごしている。更には、遺体の横に聖書を置いている。私はこの状況を理解できない」と語り、それぞれの遺体の横には聖書が置かれていたことを明らかにした。

 クリス・ベノワ死去のニュースはプロレス界に衝撃を与えた。WWEは、公式ホームページ上で「我々はステロイドがこれらの無意識な行為と関係があるかもしれないという推測が完全な間違いであるということを伝えたい。遺体の横に聖書を置く行為は、頭に血が上っている人間のすることではない。聖書の存在は激情した結果の行為ではないだろう。捜査当局による説明では、ナンシー夫人は手足を縛られた状態で窒息させられたという。夫人と息子の死亡時間にもかなりの差がある。騒ぎ立てるのではなく慎重になることが必要だ」との声明を発表し、団体の薬物検査体制には問題がなく、また冷静な対処が必要であるとした。WWEの発表では4月に行われた最新の薬物検査にベノワはパスしている。(c)AFP