【6月5日 AFP】2012年ロンドン五輪を象徴するロゴマークが4日に公開された。しかしすぐに批評家からは、悪趣味、お金の無駄使いなどと非難が集中している。

 5年後に行われる五輪をイメージさせるギザギザのロゴマークは、ピンクや青や緑やオレンジの明るい色が配され、五輪を象徴する五つの輪が「0」の部分に描かれている。

 ロンドン五輪組織委員会のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は「このロゴマークは、我々が建設した競技場や我々が催す五輪をイメージさせ、五輪精神を用い世界中の人々や若い人々の心へと届くようにという我々の約束を思い起こさせてくれる」と語っている。

 組織委員会は、世界中の人に即座に認識してもらえるようにデザインされたロゴマークが、試合を催すために必要な2億ポンド(約482億5000万円)を調達するキャンペーン活動を後押ししてくれることを期待している。

 またテッサ・ジョウェル(Tessa Jowell)文化・メディア・スポーツ相は「このロゴマークは我々のロンドン五輪がどんなものになるかを象徴しており、そこには人々を歓迎し、世界中の人々が関与する様々な試合を催しているということが集約されている」と説明した。

 しかしロゴマークに対し批評家は良い印象を受けなかった。ロンドン五輪の広報を担当するBob Neill氏は「コー会長はこのロゴーマークが、大志、協力、それから若者の交流を表していると述べたが、私にはこれを悪趣味と評す。コー会長に尋ねたい事はこの事態をどのように解決していくかです。デザインを一般の人から募集する様な試みをしましたか?もしそうだとしたら、この悪趣味なデザインは一体何に見えます?このデザインに対して一体いくらの費用がかかったのかを知りたい。たとえそれが何であれお金の無駄使いに過ぎない」とコー会長のその楽観的な姿勢を非難している。

 国民の第1印象も決して良いものではなかった。このロゴマークに関するコメントが寄せられたあるウェブサイトには、「このデザインは英国人として恥ずかしくなる」、「このデザインは6歳児にでもできそうだ。私なら目をつぶって書いてももっと良いものが書ける」など辛口のコメントが寄せられた。

 BBCのウェブサイトが行った「デザインに金、銀、銅メダル、あるいは最下位を表すブービー賞を与えるとしたら、どの賞がふさわしいか?」という調査では、83%の人がブービー賞と答えた。

 2012年のロンドン五輪の予算は、当初の見積もり額の約4倍の9億3000万ポンド(約2兆2400億円)まで跳ね上がっている。(c)AFP