【10月26日 AFP】ボクシング界を代表する名トレーナー、エマニュエル・スチュワード(Emanuel Steward)氏が25日午後、死去した。68歳だった。

 スチュワード氏は、レノックス・ルイス(Lennox Lewis)氏やトーマス・ハーンズ(Thomas Hearns)氏らを世界王者に育て上げた。

 親族のダイアン・スチュワード・ジョーンズ(Diane Steward-Jones)さんは、米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)市内の病院で手術を受けた後にこの世を去ったスチュワード氏について、ハーンズと統一世界ミドル級王者のマービン・ハグラー(Marvin Hagler)との伝説の一戦を引き合いに出し、「エマニュエルは、ハグラーよりもハーンズよりも戦った」と同氏の懸命の闘病について語った。

 スチュワード氏の健康状態悪化は、11月に防衛戦を控えるウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko)のトレーナーの座を、同選手のスパーリングパートナーを長らく務めるジョナソン・バンクス(Johnathon Banks)氏に譲ると発表した際に明らかになっていた。

 その後、9月に入院したスチュワード氏が胃の手術を受けたとが家族側から発表されていた。

 同氏が会長を務めるクロンク・ボクシングジム(Kronk Boxing Gym)は、「ヒットマン」のニックネームで知られるハーンズ氏をはじめ、1980年代に複数の世界チャンピオンを輩出した。

 米国自動車産業の中心地デトロイト(Detroit)の片隅で育ったスチュワード氏は10代でボクシングを始め、1963年にはアマチュア大会のゴールデン・グローブ(Golden Gloves)でバンタム級王者に輝いた。

 その後はクロンク・ボクシングジムでコーチの職に就き、1980年に初めてヒルマー・ケンティ(Hilmer Kenty)を世界チャンピオンに育て上げると、その後もハーンズをはじめ、6階級で世界王者を生み出した。(c)AFP