【4月12日 AFP】バドミントン、男子シングルス世界ランキング1位の林丹(Lin Dan、リン・ダン、中国)が、北京五輪を前にもう一つの騒動に巻き込まれていると、現地11日に中国の国営メディアが伝えた。

 報道によると、練習中に興奮して落ち着きを失った林丹は吉新鵬(Ji Xinpeng)コーチを殴り、その結果、林丹に対する処分を求める声が多く集まっている、とのことである。

 関係者は、林丹は吉コーチと口論になっただけであり暴行を働いていない、との見解を示した。

 チャイナ・スポーツ・デイリー(China Sports Daily)は、中国チームの関係者の話として、林丹はコーチと口論を行ったとして非難され、自身の行動が不適切だったことを認めている、と伝えている。

 一方で英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)など他の報道では、多くの記者が林丹が吉コーチを殴り、周りにいた選手やコーチが止めに入ったところを目撃した、と伝えられている。

 今回の事件はインターネット上で騒動となり、スポーツファンの多くは林丹の行動が「目に余る」ものと主張している。

 チャイナ・デリーは、あるファンの言葉として「コーチ陣やバドミントン協会は林丹を甘やかしてきた。林丹は代表チームから除外されるべきだ。彼らが気にしているのは林丹が五輪で金メダルを獲得できるかどうかだけだ。このような選手が国際大会に派遣されるならば、中国バドミントン界にとっての恥だ」と伝えている。

 林丹は、アテネ五輪の男子シングルスで金メダルを獲得したインドネシアのタウフィック・ヒダヤット(Taufik Hidayat)と公の場でいさかいを起こしたことがあり、さらに2008年始めの韓国の大会では韓国チームの中国人コーチ、李矛(Li Mao、リー・マオ)氏と激しい言い争いを行った。

 韓国の大会で林丹は、際どいライン判定をきっかけに李矛コーチの下に駆け寄り、周囲に制されたときには李矛コーチにラケットで殴りかかろうとしているようにも見えた。(c)AFP