【5月13日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属するウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が移籍を志願していることが12日、分かった。アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督が明かした。

 この日は今季限りでの勇退が決まっているファーガソン監督の本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)での最終戦だったが、ルーニー移籍のうわさが惜別ムードに水を差した。ルーニーが移籍を志願するのはこの3年でこれが2度目となる。

 ファーガソン監督率いるユナイテッドは、今季ホーム最終戦でスウォンジー・シティ(Swansea City)を2-1で下したが、ルーニーはメンバー入りしなかった。指揮官はルーニーがプレーにふさわしい精神状態になかったと理由を説明した。

 ファーガソン監督は英スカイスポーツ(Sky Sports)に対し、「ウェインはプレーする意欲を失っていると思う。移籍を志願していて、そちらに全神経を注ぎたいと考えているんだ。良い考えだと思う」とコメントした。

「うちとしては出すつもりはない。ここ何週間かで1、2回の途中交代があって、少し不満があるのかもしれない」

 ルーニーから移籍の申し出があったのかという問いに対しては、監督は「そうだ、確かに言ってきた」とコメントしている。

「我々は受け入れなかった。今はチームを離れて、もう一度じっくり考えるべきじゃないかと思う。今シーズン、何回かメンバーを外れたことに不満を感じているんだろうが、絶好調のウェイン・ルーニーであれば外れることはない」

 ルーニーはチームに残るのかと聞かれたファーガソン監督は、「それは今、私が判断することじゃない」と返した。

 出場メンバーには入らなかったルーニーだが、試合後に行われたリーグ優勝のトロフィーが授与されるセレモニーには参加し、ピッチ上でファーガソン監督と喜びを分かち合う場面もあった。

 現在27歳のルーニーは、2010年にも退団を希望したことがある。その際には自身と目指す方向性が違うとクラブに不満を訴えたが、最終的には考えを改めて残留し、ユナイテッドと5年契約を結んだ。

 26年半の在任期間で38個のタイトルを獲得するという、前人未到の記録を達成したファーガソン監督が退任を発表したのは8日だったが、今回のルーニーに関する報道はその直後から出始めた。

 ファーガソン監督の後任に就くことが決まっているデビッド・モイーズ(David Moyes)監督は、16歳のルーニーがエバートン(Everton)でデビューした時の指揮官でもある。

 ルーニーはその2年後、2700万ポンド(約42億円)とされる移籍金でユナイテッドに加入。モイーズ監督は、2006年にルーニーが発表した自伝の記載を巡って裁判を起こしたが、のちに両者は和解した。

 402試合出場で197得点という、ユナイテッドでは歴代4位となる成績を残しているルーニーは、ここまでユナイテッドでプレミアリーグ優勝5回、リーグ杯優勝2回を経験し、2007-08シーズンには欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2007-08)のタイトルを獲得している。(c)AFP