【2月9日 AFP】イングランドサッカー協会(Football Association、FA)は8日、同国代表チームを率いていたファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督が辞任したことを発表した。

 FAは声明で「カペッロ氏がイングランド代表チームの監督を辞任した。彼は即座に監督職から退くことになる」とコメントしている。

 ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたFAのデビッド・バーンスタイン(David Bernstein)会長、アレックス・ホーン(Alex Horne)事務局長との会談終了後にカペッロ氏は、イングランド代表監督を辞任することを表明した。

 カペッロ氏、バーンスタイン会長、ホーン事務局長による会談では、FAがイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に所属するジョン・テリー(John Terry)から代表チームの主将の座を剥奪することを決定した件と、カペッロ氏がイタリアメディアに協会の決定に反対する意思を示したことについて話し合いが行われた。
 
 FAは3日、2011年10月に行われたリーグ戦で、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park RangersQPR)のアントン・ファーディナンド(Anton Ferdinand)に人種差別発言を行ったとして起訴されているテリーから代表チームの主将の座を剥奪することを決定した。

 カペッロ氏は5日、イタリアメディアのインタビューで協会の決定に反対することを表明し、FA幹部の反感を買っていた。

■代表チームを立て直すも、W杯では結果残せず

 イングランド代表が欧州選手権2008(Euro 2008)の予選で敗退したことを受けて、2007年12月に同国代表の監督に就任したカペッロ氏は、厳格で規律を重んじる指導でイングランド代表を立て直し、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の欧州予選では難なく本大会出場の切符を獲得した。

 また2010年にカペッロ氏は、私生活に問題を抱えていたテリーから代表主将の座を剥奪している。同選手に対する処置は適切だったとして、当時のカペッロ氏の決断は多くの支持を獲得した。

 しかしながらW杯南アフリカ大会のグループリーグでは、スロベニアから勝利を収めたものの、米国とアルジェリアに引き分け、決勝トーナメント1回戦ではドイツに1-4で敗れるなど、期待はずれの成績に終わった。

 その後、契約延長により引き続き代表チームで指揮を執ることになったカペッロ氏だが、2011年に代表主将を務めていたマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)を解任し、テリーを再び主将に任命したことで批判が集まっていた。(c)AFP/Rob Woollard