【6月30日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)は29日、本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)でアンドレ・ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)氏(33)の監督就任発表会見を行った。

 チェルシーの元監督で、現在はスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を率いるジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督と比較されることを嫌ったビラス・ボアス監督は、自分が新たな「スペシャル・ワン」ではないと語った。

 モウリーニョ氏が監督を務めたFCポルト(FC Porto)、チェルシー、インテル(Inter Milan)で対戦相手のスカウティングを担当していたビラス・ボアス監督は、指導者としてモウリーニョ氏と同じような道をたどっている。ビラス・ボアス監督は、2010-11シーズンにFCポルトを率い、11-12シーズンからチェルシーの指揮官就任。一方のモウリーニョ氏は、FCポルトを率いた後に2004年にチェルシーで約3年間指揮を執り、類を見ない成功を手にして退団している。

 必然的に、それらを理由に「ミニ・モウリーニョ」というニックネームが付けられたビラス・ボアス監督だが、気が強いモウリーニョ氏とは打って変わって外交的であり、先任者がチェルシー監督就任時に見せた強気のパフォーマンスを行う気はないと述べた。モウリーニョ氏は、2004年の監督就任記者会見で、自身のことを「スペシャル・ワン(特別な存在)」と評したが、新監督は名づけるとするならば「グループ・ワン」となるべき共同体の一部分として働きたいと語った。

「これはワンマンショーではないんです。自分の周りの選手やスタッフの気持ちを作り上げて、野心を高めていくことが問題なのです。私は、毎年成功を収めることを望むこのビッグクラブのギアの一つに過ぎません。できるだけ早く優勝し、今後に向けた堅固な基盤を築くことがチェルシーでのチャレンジです。グループ・ワンと呼ばなくてはならないでしょう。成功を収めるため、選手をグループとしてまとめたいのです。私が成功を収めたときに、称号を皆さんが与えてくれるの待ちますよ。いつか、良い称号が手に入ることを望んでいます」
 
 またチェルシーは、11-12シーズンのプレミアリーグで最年少監督になるビラス・ボアス監督のアシスタントコーチに、元チェルシーの選手で、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich Albion、WBA)を率いていたロベルト・ディ・マッテオ(Roberto Di Matteo)氏が就任すると発表している。(c)AFP