【9月20日 AFP】(一部訂正)イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)は、退団が決定したジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の後任に同クラブのスポーツディレクターで元イスラエル代表監督のアブラハム・グラント(Avram Grant)氏の新監督就任を発表した。また、モウリーニョ体制でアシスタント・コーチを務めたスティーブ・クラーク(Steve Clarke)も引き続きチームに残留し、指揮を執ることとなった。

 チェルシーはクラブのウェブサイト上で「チェルシーはアブラハム・グラントとスティーブ・クラークが今日からチームの指揮を執る事を確認した」と声明を発表した。

 モウリーニョ監督の退団は、英国放送協会(BBC)や英国内メディアにより報じられていたが、チェルシーはクラブのウェブサイト上で「チェルシーとジョゼ・モウリーニョは両者合意のもと、別々の道を歩むこととなった」と発表し、退団の事実が確認された。この突然の退団には、同監督とオーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏との関係悪化が臨界点に達したことが原因と見られており、チェルシーとモウリーニョ監督との関係は4年目にして突如として終焉を迎えた。

 チェルシーの監督に就任して以降185試合で124勝21敗40分けの成績を収め、リーグ戦ではスタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)で60試合無敗の記録を打ち立てるなど傑出した実績を残したモウリーニョ監督の退団を受け、英国内からは様々な反響の声が挙がっている。

 英スカイ・スポーツ(Sky Sports)のインタビューに応じた元チェルシーの主将レイ・ウィルキンス(Ray Wilkins)氏は「このニュースを聞いて非常に驚いている。彼は勝利の心理を選手たちの頭に入れることの出来る監督だった」と語り、モウリーニョ監督の手腕を評価した。

 また、グラント氏の新監督就任が正式発表される前にインタビューに応じた元イングランド代表監督のグラハム・テイラー(Graham Taylor)氏は「グラントにとってチェルシーの監督を務めることは難しいかもしれない。モウリーニョはチェルシーというクラブにおいて非常にポピュラーな存在だった」とビッグクラブで監督業を務める難しさを語った。

 FCポルト(FC Porto)を欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)制覇に導いて世界にその名を知らしめたモウリーニョ監督は、2004年にチェルシーの指揮官に就任して以来2シーズン連続でプレミアリーグを制覇し、2007年にはFAカップ(FA Cup)を、2005年と2007年にはカーリング杯(Carling Cup)を制するなどその手腕は確かで、退団後は監督就任のオファーに事欠くことは無いものと思われている。

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