【8月30日 AFP】サッカー、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属する元ノルウェー代表のFWオレ・グンナー・スールシャール(Ole Gunnar Solskjaer)が28日、現役を引退することを発表した。

 バルセロナで行われた1998-99シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)決勝のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)戦で後半ロスタイムに劇的な決勝ゴールを挙げるなど「童顔の殺し屋」のニックネームで知られる同選手は、膝に慢性的な故障を抱え、最近4シーズンは出場機会が少なくなっていた。

 マンチェスター・ユナイテッドのウェブサイト上では「監督をはじめ、コーチ、メディカルスタッフ、そしてキャリアを通じて一貫して支えてくれた全てのサポーターに感謝を述べたい。彼らは最高だよ。怪我でピッチを離れている時も常に刺激を与えてくれた。サポーターやスタッフの存在があったからこそ再びピッチに立ちたいと思うことができたんだ。マンチェスター・ユナイテッドで11年間プレーし素晴らしい思い出を築き上げたことに誇りを感じている」とのスールシャールのコメントが掲載されている。

 スールシャールの引退についてアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督は「現役生活に幕を閉じることは誰にとっても辛いものだが、スールシャールは11年にわたる素晴らしいシーズンを振り返ることができる。彼は全てのサッカー選手が望むこと全てを成し遂げた。クラブに忠実であり常にプロとして模範的な選手だった。彼の立ち居振る舞いや態度は常に他の選手の模範だった。スールシャールは良い指導者になれるよ」と語り、同選手のクラブへの貢献に感謝の気持ちを述べている。

 また、デヴィッド・ギル(David Gill)会長は「スールシャールは私たちに数々の特別な記憶を残してくれた。バルセロナでのドラマチックなゴールは誰も忘れはしないだろうが、それ以上に利他的な精神やそのプロ意識が彼を理想的なサッカー選手の一人にしたんだ。現役生活にはピリオドを打つが、クラブ大使と有能なコーチとしてクラブに留まることになる」と賛辞を贈っている。

 現在34歳のスールシャールは、5月19日に行われたチェルシー(Chelsea)とのFAカップ(FA Cup)決勝では後半ロスタイムに途中出場しているが、リーグ戦ではプレーしておらず若手選手を指導するなど引退後に自身が望む指導者への道を既に歩み始めている。

 1996年にノルウェーのモルデ(Molde)から150万ポンドでマンチェスター・ユナイテッドに移籍したスールシャールは、加入以来366試合に出場して126得点を記録しするなど7度のリーグ優勝を経験し、1998-99シーズンにはリーグ、FAカップ、欧州チャンピオンズリーグのトレブル(三冠)の達成に大きく貢献しており、引退後は2006年に任命されたクラブ大使を引き続き務め、長期に渡ってコーチとしてマンチェスター・ユナイテッドに関わり続けるものと見られている。

 なお、スールシャールの引退に伴いマンチェスター・ユナイテッドの前線はウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)とルイ・サハ(Louis Saha)が故障中で、中国代表の董方卓(Fangzhou Dong)は26日に行われたトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)戦ではベンチ入りしているものの2004年に加入して以来リーグ戦では僅か1試合にしか出場していないことから、出場が見込めるのは新加入のカルロス・テベス(Carlos Tevez)のみとなっている。

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