【8月21日 AFP】サッカー、07-08イングランド・プレミアリーグ・第3節のリバプール(Liverpool)とチェルシー(Chelsea)の試合で主審を務めたロブ・スタイルズ(Rob Styles)氏は20日、チェルシーにPKを与えたのは誤審だったと認めリバプールに謝罪した。

 スタイルズ氏から誤審の報告を受けた審判協会は、これを受けて第4節ではスタイルズ氏を審判から外すペナルティーを課す決定を下している。

 スタイルズ氏は「どうしてもミスは起きてしまうものだが、審判は間違いを犯さないように試合に臨み、そのミスが結果を左右しないように願っている。19日の試合で誤ってチェルシーにPKを与え、試合の結果に影響を与えてしまったことを謝罪したい」と語っている。

 スタイルズ氏はペナルティーエリア内で倒れたチェルシーのフローラン・マルーダ(Florent Malouda)とリバプールのスティーヴ・フィナン(Steve Finnan)に接触が無かったにも関わらずチェルシーにPKを与え、PKを沈めたチェルシーは同点に追いつき試合は1-1の引き分けに終わっている。

 この件について審判協会のキース・ハケット(Keith Hackett)氏は「我々は審判が下した全ての判定を分析するシステムを持っている。審判は監督や選手と同じように説明責任を有しており、我々は彼らが正確な判定を下すことを期待している。今回のケースではロブはミスを犯しており、次の試合を裁くことはないだろう。今朝ロブと話したが、彼は自らのミスを認め今回のペナルティーの決定に大きく失望しているようだった。リバプールのラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督には私から謝罪のメッセージを残しておいた」と述べている。

 なお、リバプールの主将スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)は「トラブルを起こしたくないのであまり多くを語りたくはないが、主審は良い仕事をしなかった。チェルシーの選手からアピールがあったかどうかは知らないが、結果として彼はミスを犯した。あのプレーはPKではなかったので主審には謝罪して欲しい。我々選手は間違いを犯した場合謝罪しなければならないので審判もそうあるべきだ」と語っている。

 また、ハケット代表は18日に行われたフラム(Fulham)とミドルスブラ(Middlesbrough FC)の試合で副審を務めたイアン・ゴズリング(Ian Gosling)氏が、試合終了間際のフラムのデビッド・ヒーリー(David Healy)のシュートがゴールラインを割っていたにも関わらずゴールを取り消し、この判定によりフラムは1-2でミドルスブラに敗れた件について「副審のミスは明らかであり、ロブ・スタイルズと同じく次戦では審判から外れる」と発表している。

 プレミアリーグはテニスなどでライン際の判定を行う際に使用されている装置「ホークアイ(Hawkeye)」を導入する計画を進めており、このことに関しハケット氏は「現在はテスト段階ではあるが、安全性が保証された場合には導入されることになるだろう。このシステムが審判が判定を下す際の助けになることは誰もが認めている」と語っている。

 また、スタイルズ氏は同試合でチェルシーのジョン・テリー(John Terry)にイエローカードを提示した際にミカエル・エシアン(Michael Essien)に2回目の警告を与えたような紛らわしいジャッジをして試合に混乱を招いており、ハケット代表は「その件に関してはロブと第4の審判から説明を受けている。テリーに警告を出した際にカード手にしたままフリーキックの指示を出したことで誤った印象を与えたようだ。これは単純なミスであり、ビデオをチェックして再発防止に努めたい」と述べている。

 またチェルシーのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は「(スタイルズ主審がエシアンの頭越しにイエローカードをかざしたことで)ミカエルは2度目の警告を受けたと勘違いして恐れていた。その後スタイルズ主審はテリーにのみカードを出したと説明したが、エシアンは自分が警告を受けたと思い込み長い間佇んでいたようだ」と語っている。(c)AFP