【7月7日 AFP】サッカー・イングランド代表元監督のスベン・ゴラン・エリクソン(Sven-Goran Eriksson)氏が6日に、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)の監督に就任することが発表された。契約期間は3年となる。

 エリクソン氏はマンチェスター・シティの新オーナーとなるタイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)氏のオーナー就任の公約として、イングランド・プレミアリーグの中でも人気を誇るマンチェスター・シティが直ぐにでもリーグで結果を残せるように、チームを築くことを誓った。

 就任会見でエリクソン氏は、「これは偉大な挑戦になります。私は既に2007-2008シーズンに向けての準備を開始している。マンチェスター・シティの監督になれる機会を逃す訳がない。マンチェスター・シティはとても、とても素晴らしいクラブで、プレミアリーグは世界でも最高のリーグだと思う。もしあなたがプレミアリーグで監督をやる機会が訪れるなら、私のように絶対に引き受けるべきだ」と語った。

 エリクソン氏は06サッカーW杯でイングランド代表チームを率い、準々決勝でポルトガルに敗れて敗退してからは、監督の仕事には就いていなかった。エリクソン氏は、最も有能な選手が集まったイングランド代表を率いながら成功を収められなかったと見られているが、クラブレベルでは非の打ち所のない結果を出しており、母国のスウェーデンをはじめ、ポルトガルやイタリアのクラブを率いて数々のタイトルを勝ち取っている。

 マンチェスター・シティのアリステア・マッキントッシュ(Alistair Mackintosh)CEOは「欧州のトップチームで監督を務めてきた幅広い経験に我々は強く引かれた。またエリクソン氏はイングランド代表を率いていた経験上、プレミアリーグの内外部に精通している」と語った。

 シナワット新オーナーの第一選択肢だったクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)氏がイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)の監督を選択したため、エリクソン氏はスチュアート・ピアース(Stuart Pearce)前監督の後任候補として一躍名前が挙がっていた。

 エリクソン氏は就任会見で「これまで他のクラブのオファーを断ってきて良かった。私は例え自分が3番目、4番目の候補だろうが、気にしないだろう。私は今ここにいる事が出来て、監督の仕事は私のものだ」と語り、イングランド代表の監督を退任してから、これまで他のチームのオファーを断ってきた事、さらには自分がクラブの第一選択肢ではなかった事に関しては気に留めていない事などを明かした。

 マンチェスター・シティを生き返らせるというエリクソンの使命は中心選手だったジョーイ・バートン(Joey Barton)、シルヴァン・ディスタン(Sylvain Distin)、トレヴァー・シンクレア(Trevor Sinclair)、ハテム・トラベルシ(Hatem Trabelsi)、ダマーカス・ビーズリー(Damarcus Beasley)らがチームを離れたことにより一段と困難なものになった。エリクソン氏は既にシナワット新オーナーに最低でも新たに10人の選手を獲得して欲しい意向と、移籍に必要な5000万ポンド(約123億円)を用意するように伝えていると報じられた。

 2006年9月にタイで起きた無血クーデターで首相の座を退陣させられて以来英国に亡命しているシナワット新オーナーはマンチェスター・シティの株の74%を取得し、買収に成功したとことを6日に発表した。

 一度75%の株を取得するとシナワット新オーナーは、チームを株式市場から上場廃止に出来る。シナワット氏はその意向を示しており、90%を取得した際には他の株主に対し強制的にシナワット氏に株を売らせる事が可能で、唯一の株主になれる。(c)AFP