【3月17日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は16日、エリック・アビダル(Eric Abidal)を「かけがえのない選手」と評し、肝移植手術から回復し、ピッチに復帰するだろうと語った。

 練習後の記者会見に臨んだグアルディオラ監督は、「アビダルは愛されているので、われわれのサポートを得られていることを知っている。重要なことは、この病気の解決策を見つけ、人生を前向きに進めることだ。彼は戻ってくると確信している。アビダルはかけがえのない存在であり、代わりはいない。彼は無限の可能性を与えてくれるんだ」と語った。

 FCバルセロナは15日、数週間のうちにアビダルが肝移植手術を受けると発表している。

 アビダルの離脱期間についてFCバルセロナは言及を避けており、6月に開幕する欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)に同選手がフランス代表として出場できるかどうかは不透明となっている。

■専門家「再びプレーするのはかなり難しい」

 臓器移植の専門家であるラファエル・マテサンス(Rafael Matesanz)氏は、故障するリスクが高いとして、アビダルが再びプレーすることは「かなり難しい」との見解を示した。

 スペイン国内の臓器移植委員会の会長を務めるマサンテス氏は、スポーツ紙マルカ(Marca)に対し、「アビダル選手は一流の選手であり強い人間なので、普通の生活を送ることはできるだろう。また、スポーツをすることも可能だ。しかし、サッカーは激しい接触があるスポーツだ。移植後に避けなければいけないことの1つに、患部への打撃がある。残りの人生で肝臓への打撃を避けるなど、予防をしなければならない」とコメントしている。

 一方、フランス代表のローラン・ブラン(Laurent Blanc)監督は、欧州選手権の出場可否や復帰時期よりも、アビダルの健康と家族への影響を心配している。

 フランスサッカー連盟(French Football Federation、FFF)の公式ウェブサイトでブラン監督は「今回のような時に言えることは何も無い。エリックにとって悲しいニュースだ。サッカーという問題を超えている」と語った。

■肝腫瘍摘出手術後に驚異的な回復力を見せたアビダル

 2011年3月に肝腫瘍摘出手術を受けたアビダルは、驚異的な回復力を見せ、2011年5月に行われたレアル・マドリード(Real Madrid)との欧州チャンピオンズリーグ2010-11(UEFA Champions League 2010-11)準決勝に途中出場し、大歓声を浴びている。

 グアルディオラ監督は、「本拠地カンプ・ノウ・スタジアム(Camp Nou stadium)の拍手喝采は、私が今まで見た中で最も素晴らしい光景の1つだ。アビダルは素晴らしい人間であり、サポーターからとても愛されている。人々が彼をとても愛しているとしたら、それは彼が勝ち取ってきたものだ。それが彼にこの病気を乗り越えるための多くの勇気を与えてくれるものと信じている」と語った。

 アビダルは、レギュラーとして11-12シーズンのリーグ戦20試合に先発出場を果たしているが、2月に行われた国際親善試合のドイツ戦で負傷して以来、欠場が続いている。

 また、アビダルの契約は2011-12シーズン終了後に満了を迎えていたが、2012年1月にFCバルセロナはアビダルと2年間の延長オプション付きの1年契約を結んでいる。(c)AFP