【9月10日 AFP】深刻な得点力不足に陥り、勝利から見放されたことで本大会出場が危うくなっているフランス代表は、9日に行われる2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)欧州予選で、ベラルーシ代表との重要な一戦に臨む。

 1998年のW杯で優勝したフランス代表メンバーの一人で、チームの主将を務めたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、予選の序盤は好スタートをみせたものの、現在までに同監督が指揮を執った11試合でフランスは4勝しかしておらず、成績としては史上最低の成績となっている。

 また、フランス代表には5試合連続無得点というもう1つの不名誉な記録がのしかかっている。そしてメディアは、プレーオフ進出が濃厚とされているチームの戦犯として、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)を挙げている。

 現在グループIの順位表で2位のフランスは、3位のフィンランドに勝ち点5差をつけているが、前回のW杯王者スペインが勝ち点3差で首位に立っており、10月に行われるベラルーシとグルジアの2試合で勝ち点を落とすことを期待するのは、あまりにも不自然といえる。

 そして負の連鎖は続き、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属し、今年の世界最優秀選手「FIFAバロン ドール(FIFA Ballon d'Or)」の有力候補とされているフランク・リベリ(Franck Ribery)が、0-0で引き分けた6日のグルジア戦で負傷しており、試合に先発出場できるか不透明な状況となっている。

 グルジア戦が行われたトビリシ(Tbilisi)で臨んだ記者会見で、デシャン監督は「どちらの結果も受け入れていない」と語った。

 500分以上も無得点が続いているフランス代表について、デシャン監督は「私は記録を作るために試合をしていない。そしてこれが私を喜ばせるものだとか、誇りに思うなんて言うつもりはまったくない。だが、私が眠りにつけない原因なのは確かだ」と語った。

 レアル・マドリードでレギュラーの座を確保し、所属クラブで結果を残しているベンゼマだが、フランス代表では60試合で15得点しか記録しておらず、同選手に対する信頼は揺らいだままだ。

 また、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)で好調ぶりを見せ、ベンゼマのパートナーを務めたオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)も、グルジア戦では得点を挙げることができなかった。

 デシャン監督は、これまで一度もテストしたことがなく、攻撃の創造性を欠く原因に挙げられた4-2-3-1システムを採用した理由について問われ、以下のように答えている。

「私はチームにとって最善の選択をしている。いくつか解決しなければならない問題はあるが、奇跡を起こす治療法があるわけではない」

「ベラルーシ戦で誰がプレーするのか決めていないが、私はチームのために最善の選択をする。私たちには正確性が欠けており、これを改善する必要がある」

 フランスがスペインを逆転し、プレーオフ進出を逃れることができなければ、世界ランクは23位まで後退するため、シードを失う可能性がある。シードを失った場合、フランスはプレーオフでクロアチア、ロシア、スウェーデン、もしくはイングランドと対戦するかもしれない。(c)AFP/Greg FRASER