【2月7日 AFP】サッカー日本代表のGK川島永嗣(Eiji Kawashima)が7日、欧州サッカー界での人種差別について言及し、同地で戦う選手は人種差別に対して強くならなければならないとの見解を示した。

 ベルギー1部リーグ、スタンダール・リエージュ(Standard de Liege)でゴールマウスを守る川島は、3-0で日本が勝利したラトビアとの親善試合から一夜明けた7日、スロバキアリーグのMSKリマフスカ・ソバタ(Rimavska Sobota)に所属していた日本人ストライカーの中村祐輝(Yuki Nakamura)が人種差別を受けたことを理由にチームを退団した件に触れ、共同通信(Kyodo News)に対して次のように語った。「ああいうことが起こったのは残念に思いますが、ごく個人的な意見として、海外でプレーする日本人選手は、もっとタフでなくてはいけないと思います。簡単な事ではないですが」

 日本で東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故が起こった2011年、川島はベルギーリーグの試合で対戦相手のサポーターから「フクシマ!」と繰り返しやゆされ、試合の途中で涙を流した。 「アジア人だからという理由で僕たちをさげすむ人はいます。単なる冗談という考えでそういう愚かなことをする人達に対しては、こちらもタフにならなくちゃいけない。日本はとてもいい国で住みやすいですが、海外はそんな国ばかりじゃない」

 こうした川島のコメントは、中村がスロバキアで容認し得ない人種差別を明かしていたことを受けてのものとなる。

 中村は自身のブログの中で「残念ながら、所属していたMSKリマフスカ・ソバタで人種差別的なことを受けて生活できなくなり帰国しました」と綴り、さらにチームメイトは誰も助けてくれなかったとしている。

 この内容について川島は、共感はするとしながら、差別に対しては正面から立ち向かうべきであるとの考えを示した。「おそらく、中村選手は非常に厳しい状況におかれて、しかも孤立無援だったんだと思います。けれど僕たちはもっと強くなくちゃいけない。不正には立ち向かわなければいけないと思うんです」(c)AFP