【11月9日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジェローム・ヴァルケ(Jerome Valcke)事務局長は8日、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)開催の準備が遅れているブラジル政府のW杯運営委員会に対し、建設工事のピッチを上げるよう警告した。

 何千人もの観光客が予想される同大会の建設は予定より大幅に遅れている現状についてヴァルケ会長は、「この先1日も無駄にしてはならない。ブラジルは国内の移動が簡単ではない。サンパウロ(Sao Paulo)市内の端から端まで移動するだけで悪夢のようだ。空港を出発するのにも半日かかる。このような事態が大会期間中に起こってはいけない」と語った。

 過去にもFIFAからW杯開催に向けた準備の遅れを指摘されているブラジル政府は、9月中旬にはスタジアム建設が2012年12月の完成に向けて予定通り進んでいると主張しながらも、同時に予定されている13件の空港建設のうち5件は未着手であることを認めた。

 2016年夏季五輪の開催地でもあるブラジルは、道路や通信などのインフラ整備や、セキュリティの強化に114億ドル(約7700億円)以上の予算が必要としている。

 コンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)が大会開催準備が順調に進んでいるかを確認する機会になると話すヴァルケ事務局長は、根本的な予定変更は不可能であり、作業速度を上げることが優先だと語った。

 またFIFAは、ブラジルが提案している「ブラジル人の学生と60歳以上に対するチケット割引」に否定的な見方を示した。ヴァルケ事務局長は、「ブラジルの法律に関与するつもりはないが、W杯に対してどの法律が有効的なのか明確にして欲しい」と述べた。観戦チケットが違法ルートで横流れするのを防ぎたいFIFAは、60歳以上を対象にした半額チケットの販売は認めているが、学生に対しては最低でも25ドル(約2千円)での販売を推奨している。(c)AFP