【6月27日 AFP】サッカーアルゼンチンリーグの昇格降格決定プレーオフの第2戦が26日に行われ、1部の名門リーベル・プレート(River Plate、以下リーベル)の2部降格が決定した。リーベルの降格は、クラブ創設110年目で初めて。

 2部のCAベルグラーノ(CA Belgrano)との第1戦を0-2で落としていたリーベルは、プレーオフの特例ルール上、2得点差以上の勝利で降格を免れることになっていたが、本拠地モヌメンタル・スタジアム(Monumental stadium)で行われた第2戦は1-1の引き分けに終わった。

 首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)を本拠地とするリーベルとボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)の対戦は、世界で最も激しいダービーマッチの一つに数えられているが、11-12シーズンのスーペルクラシコ(両チームのダービーマッチ)は、国内カップ戦で対戦しない限り、行われないことになった。

 試合は前半5分にリーベルがマリアノ・パヴォーン(Mariano Pavone)のゴールで幸先よく先制するも、後半16分にベルグラーノはギジェルモ・ファレ(Guillermo Farre)のゴールで同点に追いついた。同25分にリーベルは、ペナルティーキック(PK)を得て勝ち越しのチャンスを手にしたものの、パヴォーンのキックはGKファン・カルロス・オラヴェ(Juan Carlos Olave)に阻まれた。

 スタンドのサポーター間で暴力行為が起こったため、試合は後半44分に終了となり、2試合合計スコアを3-1としたベルグラーノが1部昇格を決めた。

 名門クラブを降格の憂き目にあわせたリーベルの選手は試合終了後、涙を浮かべながらそれぞれ抱き合った。一方ベルグラーノの選手は、リーベルのサポーターが物を投げ込む中でピッチを後にし、事態を収拾するために消防士がサポーターに向かって放水を行った。

 また、暴動はすぐさまスタジアムの外にまで広がり、連邦警察が馬や放水銃を駆使して暴徒の鎮圧を図る映像がテレビに流れた。当局は、この衝突により68人が負傷、50人が逮捕、15台の車両が破壊され、2名の警官が頭部を負傷し重体と発表している。この試合に向け、2200人の警官が動員されていた。

 ラプラタ川(Rio de la Plata)の英語読みを名前に関したリーベルは、1901年に創設され、1930年代にはライバルのクラブから選手を獲得するため多額の移籍金を費やしたことからロス・ミジョナリオス(億万長者)と呼ばれるようになった。これまでにリーグ制覇33回に加え、2度のリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America)優勝や、トヨタカップ(Toyota European/South American Cup)制覇を果たしている。

 これにより、アルゼンチン1部リーグで降格経験の無いチームはボカ・ジュニアーズとインデペンディエンテ(Independiente)の2チームとなった。(c)AFP