【6月2日 AFP】(一部更新、写真追加)国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が1日、スイス、チューリヒ(Zurich)で行われた第61回FIFA総会の会長戦で4選を決めた。

 唯一の対立候補だったアジア・サッカー連盟(Asian Football ConfederationAFC)会長のモハメド・ビン・ハマム(Mohamed Bin Hammam)氏は、票の買収疑惑により出馬を辞退した中、75歳のブラッター会長は、203票中186票の賛成票を得た。

 この数週間にわたりFIFAを巻き込んだ汚職疑惑の波を受け、ブラッター会長はワールドカップ(W杯)の開催地の選出方法を含めた抜本的な改革に着手することを明言している。

 投票発表後にブラッター会長は「我々はFIFAの船を澄み渡った水の正しい航路に戻す。時間がかかるかもしれないが、必ず戻してみせる」と語っている。

 1998年にFIFAのトップに立ったブラッター会長は、2018年のロシア開催、2022年のカタール開催が決まったワールドカップ(W杯)の招致活動を取り巻く不正疑惑を受け、多方面から組織再編を望む声にさらされている。

 FIFAの主要なスポンサーは、相次ぐ否定的な見出しによってダメージを受けたサッカー界のイメージを懸念する声を挙げて、前月31日、ブラッター会長に組織再編を臨む勢力に加わっている。

 ブラッター会長は、「各国のサッカー協会に更なる権限を与えたい」と語り、今後のワールドカップの開催地はこれまでの24人の役員による投票ではなく、208の加盟国によって選出されると語った。

 FIFAは、5月に行われた英国議会の宣誓証言で、FIFAの役員が2018年と2022年のワールドカップ(W杯)招致活動の間に現金などを求めていたことが明らかとなったことを受け、守勢に回らざるを得なくなっている。

 75歳のブラッター会長は、票の買収スキャンダルで立候補を取りやめたビン・ハマム氏と会長選を繰り広げていた。ビン・ハマム氏と、強い影響力を持つジャック・ワーナー(Jack Warner)FIFA副会長は、ブラッター会長を倒すべく会議出席者に4万ドル(約320万円)の賄賂を贈ったとして、FIFAの倫理委員会から暫定的に活動停止処分を受け、引き続き調査が続いている。

 また、ブラッター会長は、任期が終わる2015年での退任を明言している。(c)AFP