【7月7日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でドイツ代表チームの快進撃をもたらしている「お守り」として、ヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)代表監督が着ているドイツのアパレルブランド、ストラネス(Strenesse)の青いカシミヤセーターにファンが殺到している。

 同社広報によると、ドイツ国内の在庫は売り切れてしまい、決勝進出が決まっている隣国オランダにあるストラネスのショップまで行って買うファンが出るほどの人気だ。

 Vネックのシンプルなカシミヤセーターだが、グループリーグでのオーストラリア戦(4-0)、決勝トーナメント1試合目の仇敵イングランド戦(4-1)、アルゼンチンを打ちのめした準々決勝(4-0)と、今回W杯でドイツが4得点した3試合すべてで、レーブ監督はこのコバルトブルーのセーターを着ていた。W杯本大会で3試合、4得点したチームは初だ。7日夜に行われる準決勝スペイン戦でもこのセーターを着るよう、スタッフが勧めているという。

「ドイツの奇跡のセーター」と名づけたビルト(Bild)紙に対しレーブ監督も、魔法の力をもっているのかもしれないと述べ、「わたしはそんなに迷信深くないが、ハンス・フリック(Hans Flick、代表コーチ)たちが強制的にわたしにあのセーターを着させるんだ。その度に4つのゴールが生まれている。もうセーターを変える気はないね。洗いさえもしないよ」と語ったという。

 現在が冬の南アフリカとは真反対に、うだるような暑さが続くドイツだが、199ユーロ(約2万2000円)の「ヨギ・セーター」(ヨギはヨアヒムの愛称)は店頭にもうほとんどない。

 入手できなかったファンたちは、本物とまったく同じなくてもとせめてもの思いで、コットン製や混紡の似た色のセーターを買っていっているという。ベルリンのストラネスのショップでは、空っぽになった棚の前にいた26歳のアンナ・グルーバーさんが「父のために1枚ほしかったの。ヨギ・シャツを持っているのよ」と、2008年の欧州選手権(UEFA European Championship)の時にレーブ監督が身につけていたシャツに触れて語った。

 欧州選手権でレーブ監督は、スリムな身にぴったりしつらえた白のボタンダウン・シャツを着ていて、これもトレードマークになり、ドイツは決勝まで進んだが、最後はスペインに敗れた。(c)AFP