【5月31日 AFP】(写真追加)中国は2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)出場を前回大会に続いて逃したが、そんな中国代表チームを活性化し「美しい試合」を実現させる秘策を、40代のビジネスマンが考案した――「カンフーサッカー」だ。

 このビジネスマンは、中国北東部出身の孔徳宝(Kong Debao)さん。サッカーにカンフーの動きを足すことで、代表チームのスピードと敏しょう性が向上するはずだと確信している。

「中国のサッカー水準はとても低い。観戦すると心配になる。この悲しい現状を打開するための方策はないだろうか、そう自分に問いかけた結果、カンフーサッカーを作り上げたんだ。全身全霊で取り組んでいるよ」

■武術学校でサッカー講座

 苦節2年、孔さんはついに北京(Beijing)郊外で「カンフーサッカー講座」の開設に同意してくれる武術学校と出会った。中国では武術学校は尊敬の対象で、生徒たちは幼少のころから学問と武術とを学ぶ。

 今年から始まった「カンフーサッカー講座」に参加する若い生徒たち30人も、この新たなスポーツの創出に関わることを名誉と感じているようだ。中国代表チームの成績が振るわないことを心苦しく思っていたというXu Jiawei君(17)は、「サッカーはいつもやっているし、カンフーも最近始めた。(カンフーサッカーなら)この両方が合体している」と話した。

■「ベッカム×ジャッキー」なプレー、当面はショーで披露

 トレーニングでは、生徒たちがボールを使ったさまざまな曲芸的な動作を練習している。その動きはまるで、元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)選手と映画俳優のジャッキー・チェン(Jackie Chan)の動きをかけ合わせたようなものだ。

 もっとも、当面はサッカーの試合でではなく、ショーで技を披露してカンフーサッカーの知名度を上げていく予定だそうだ。孔さんの目標はもちろん、いつの日か、しっかり訓練された選手たちによる非常に高度なカンフーフットボールの試合を観戦することだ。(c)AFP/Francois Bougon