【11月28日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)予選の最初の試合が行われてから2年以上の月日がたって迎える12月4日、出場32チームが組み合わせ抽選に臨み、本大会へ向けたカウントダウンが本格的に始まる。

 抽選会では32チームが各組4チーム8グループに振り分けられるが、欧州勢は同じグループに2か国までしか入れない。手順は翌週にまとまるが、06サッカーW杯時の方式がそのまま採用されるとみられ、過去3年間の世界ランクと過去2大会の成績が考慮される。これにより、ブラジルがトップシードとなり、ドイツ、スペイン、イタリア、イングランドが入るとみられる。

 抽選結果が一度決まれば、焦点は2010年に移る。開幕戦は6月11日、グループAのチーム1とチーム2によってヨハネスブルク(Johannesburg)のサッカー・シティ・スタジアム(Soccer City Stadium)で行われる。そのほかの63試合は、南アフリカ北東のポロクワネ(Polokwane)から南西のケープタウン(Cape Town)までの10スタジアムで開催され、決勝は7月11日にサッカー・シティで行われる。

 ここまでの旅路は劇的だった。予選は2007年8月25日、たった60人の観客の中で行われたオセアニア予選、バヌアツ対サモアの試合から始まった。それからウルグアイが最後に本大会出場を勝ち取るまで、延べ2000万人のファンがスタジアムに集い、参加204か国が32か国に絞られるのを目撃した。

 初出場のスロバキアを除く31チームには、W杯出場経験がある。ニュージーランドは2回目の出場で、同じく2度目の出場を決めた北朝鮮は、イングランドが地元で優勝を飾った1966年大会以来11大会ぶりの本大会となる。

 そのイングランドは、ファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督の下、ウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)やスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)、フランク・ランパード(Frank Lampard)、ジョン・テリー(John Terry)を中心に士気が高く、規律を重視したチームで優勝候補に挙がっている。カペッロ監督はブラジルを倒すべきチームと見なしているが、ブラジルのドゥンガ(Dunga)監督は優勝候補という予想に気乗りはしていない。

 フランスは、欧州予選のプレーオフ第2戦で論議を呼んだティエリ・アンリ(Thierry Henry)のハンドで抽選会まで残り、辛うじて南アフリカへの切符を手にした。

 ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督率いる欧州王者スペインは、予選で10戦10勝と連勝を重ね、現在世界ランク1位に立っている(2009年11月20日現在)。デル・ボスケ監督は「同じような大志を抱くであろうブラジル、ドイツ、イタリアといった強豪国がいるのだから、夢の中ではなく、ピッチ上で証明しなくてはならない」と語っている。

 アフリカ勢とアジア勢は、W杯でトロフィーを掲げたことは一度もないが、2010年もその姿を見ることはなさそうだ。一方、南米勢はブラジルを筆頭に若手主体のチリも台頭しており、優勝の期待が大きい。

 アルゼンチンは、答えよりも多く疑問を引き起こしたディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)監督とともにシーソーに乗るような状態に耐え抜き、ぎりぎりの状態で予選を突破しており、予測のつかないチームとなっているが、国民のアイドルは今後も戦い続けることになる。

 抽選会は、現地時間午後7時(日本時間5日午前2時ごろ)に開始される。(c)AFP/Martin Parry