【9月11日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)出場の危機にさらされているアルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)監督が、選手選考と戦術に致命的なミスがあったとして批判を受けている。

 9日の南米予選でパラグアイに0-1で敗れたアルゼンチンは、同予選残り2試合としたところで、本大会に自動出場できる4位から転落している。

 パラグアイ戦での黒星は、マラドーナ監督の体制で行われた同予選6試合で4度目の敗戦となった。

 アルゼンチンの一般紙ラ・ナシオン(La Nacion)は「複数の過ちを犯した監督にとって試練の時」と報じ、同国で最大の販売部数を誇るクラリン(Clarin)紙は一面で「がけっぷち」と伝え、すでに敗退が決まっている次のペルー戦とアルゼンチンをわずか勝ち点1差で追っているウルグアイ戦で、マラドーナ監督にはこれ以上のミスは許されないと報じている。

 また、同国のスポーツ紙オレ(Ole)はマラドーナ監督が「監督にできるすべてのミスを犯し、選手の意欲を失わせた」としている。

 2008年11月から指揮を執るマラドーナ監督は、メディアによるパラグアイ戦後の厳しい追及に対し「15歳のころからわたしは何も恐れていない。今は48歳になり、これからも恐怖と戦い続ける」と開き直った姿勢を見せている。

 前任者のダニエル・パサレラ(Daniel Passarella)氏、マルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)氏、ホセ・ペケルマン(Jose Pekerman)氏、アルフィオ・バシーレ(Alfio Basile)氏の倍額にあたると見られている月収10万ドル(約920万円)を手にしているマラドーナ監督は、指導経験が不足しているとして多方面から批判を集めていた。

 マラドーナ監督の指導者経験は少なく、ドーピングによる出場停止期間の1994年10月から12月にかけてマンディーユ・デ・コリエンテス(Mandiyu de Corrientes)を、1995年5月から9月にかけてラシン・クラブ(Racing Club)を指揮したに過ぎない。
 
 マラドーナ監督の下でアルゼンチン代表は23試合を行い、通算成績は3勝8敗12分けとなっている。

 2008年12月に辞任したアルフィオ・バシーレ氏からマラドーナ監督がチームを引き継いだ時点で、アルゼンチンは南米予選の3位につけていたが、同監督の下で方向性を失い、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やカルロス・テベス(Carlos Tevez)らスター選手は、所属クラブでの輝きを代表チームでは失っている。

 また、アルゼンチンのメディアは一貫性のない選手選考も批判しており、過去9試合では3人のゴールキーパー(GK)が起用されるなど、これまでに60人が招集されている。(c)AFP

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