【10月13日 AFP】サッカードイツ代表のヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は12日、2-1で勝利した11日の2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)欧州予選、ロシア戦の試合中に無断でスタジアムから姿を消したケヴィン・クラニー(Kevin Kuranyi)を今後は代表に招集しない方針を明らかにした。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部のシャルケ04(Schalke04)に所属するクラニーは、18人のベンチ入りメンバーから外れたロシア戦をスタンドの特別席で観戦し、ドイツは前半にルーカス・ポドルスキー(Lukas Podolski)とミヒャエル・バラック(Michael Ballack)が挙げた2得点により勝利を収めた。

 試合後にスタジアムからチームが拠点を構えるデュッセルドルフ(Dusseldorf)に向かうバスに姿を見せなかった26歳のクラニーは、12日の朝まで音信不通だった。

 これを受けてレーブ監督は、クラニーを代表から追放するという素早い対応を示した。

 ドイツサッカー連盟(Deutscher Fussball-BundDFB)のウェブサイト上に掲載された声明でレーブ監督は「ケヴィンの取った行動は受け入れることができない。従って今後は彼を代表に招集するつもりはない」と発表している。

 ドイツのスポーツ通信社SID(Sport-Informations-Dienst)は、代表通算52試合に出場しているクラニーの友人2人がデュッセルドルフのホテルに向かい、11日の夜に同選手の私物を引き取ったと報じている。

 協会はSIDに対しクラニーが姿を消したことを認めているが、同選手が唐突にそのような行動を取った理由は明らかにしていない。

 ブラジル出身のクラニーは、同様にベンチ入りしなかったチームメイトと共にロシア戦の前半を観戦し、ハーフタイムに着替えて友人と会う許可を求めた。06サッカーW杯のメンバーから落選しユルゲン・クリンスマン(Juergen Klinsmann)前代表監督と衝突しているクラニーは、許可が認められるとその後は再び姿を現すことはなく、チームバスにも乗らなかった。

 協会スタッフは試合終了後から1時間以上スタジアムでクラニーを探し、ドイツ代表のチームマネージャーを務めるオリバー・ビアホフ(Oliver Bierhoff)は、数回にわたってクラニーの携帯電話に連絡を入れたがつながらず、チームを乗せたバスは同選手抜きでスタジアムを後にした。(c)AFP