【9月10日 AFP】批判にさらされているサッカーフランス代表のレイモン・ドメネク(Raymond Domenech)監督は9日、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)欧州予選のセルビア戦を前に、「ギロチンがすでに存在しないことをありがたく思う」と語り、記者会見の場を和ませた。

 6日に行われたオーストリアとの同予選の初戦に1-3で敗れて以来、ドメネク監督はプレッシャーにさらされている。フランスのメディアは、世界ランキング101位のオーストリアに敗れたことを受け、ある新聞は「ワーテルローと同じだ」と伝えるなど、「大惨事」と大きく騒ぎ立てている。

 ドメネク監督は集まった報道陣に対し、独特の芝居じみた自己非難で「皆が血のにおいに飢えている。私の首を落とすことに喜びを感じる人がいるかもしれないので、ギロチンがすでに存在しないことをありがたく思う」と語った。

 フランス代表は、6月の欧州選手権2008(Euro 2008)では1得点しか挙げることができず、グループリーグ敗退という惨敗に終わったが、ドメネク監督はかろうじて解任を免れた。しかし、7日のフランス各紙の論評では、ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)氏やローラン・ブラン(Laurent Blanc)氏の名前が後任として挙げらるなど、再び進退問題が浮上している。

 ドメネク監督は「セルビア戦について語るためのこの場にやって来た。進退に関する質問を受けつけるつもりはない」と語っている。

 ドメネク監督に関係してギロチンが引き合いに出されるのは、元フランス代表のエマニュエル・プティ(Emmanuel Petit)氏が、欧州選手権での惨敗を受けドメネク監督を非難したときに続き2回目となる。

 プティ氏は6月、フランス革命当時のギロチンの使用を振り返り「我々はフランス人なので、首が飛ぶのは当然のこと。ドメネク監督の後任はすでに決まっていると思っている。個人的にはディディエ・デシャンだと思う。私は物事が起こる前にそれを感じることができる」と語っていた。(c)AFP