【6月28日 AFP】サッカー欧州選手権2008(Euro 2008)に出場しているドイツ代表のトルステン・フリンクス(Torsten Frings)は27日、もし自分が監督だったら肋骨(ろっこつ)を骨折しているものの29日に行われるスペインとの決勝に自らを起用するだろうと語った。

 16日に行われたオーストリアとのグループリーグ最終戦で骨折したフリンクスは、僅か9日後の25日に行われ3-2で勝利したトルコとの準決勝に後半から途中出場を果たしている。

 現代表メンバーでは2002年W杯日韓大会・決勝のブラジル戦に出場した3選手のうちの1人である31歳のフリンクスは、29日にウィーン(Vienna)で行われる決勝への出場を強く望んでおり、ヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督に対してはすでに出場の意思を伝えている。

 フリンクスは「完全にフィットしてると感じている。今は何の問題もない。こんなに早く治って驚いている。準決勝ではプレー中に多少ナーバスになった。転倒した時にどうしようかと心配していたが、今はフィットしているしプレーしたくてウズウズしている」と語っている。

 一方でフリンクスは、自身の体にとっても欧州制覇を目指すチームにとっても自らの先発出場は一定のリスクを伴うことを認めているが、レーブ監督の立場であったら自身を出場させるだろうと語っている。

 「フリンクス監督だったらフリンクス選手を先発で起用するだろう」と笑顔で語るフリンクスは、「もちろん準決勝で肋骨を折っている選手をピッチに送り出すのはリスクが高かったが、今はプレーしたくてたまらない」と語っている。

 ポルトガルとの準々決勝ではバイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)に所属するシモン・ロルフェス(Simon Rolfes)がフリンクスの代役を務め、レーブ監督は4-5-1にフォーメーション変更して試合に臨んだが、フリンクスはポルトガルを崩壊させた監督のシステム変更を賞賛している。

 ポルトガル戦についてフリンクスは「状況に応じて適切な回答を見つけなければならないが、中盤でのギャップは単純にとても大きかった。ポルトガル戦で最も重要だったのは、できる限り彼らにボールを支配させないことだった。我々はシステムに違和感なく順応しており、トップチームであるためには切り替えが必要とされる」と語っている。

 また、体中にタトゥーを施しているフリンクスは「どんな衝突も恐れていない、トルコ戦では多くの接触を受けた。私は常に対戦相手がフェアであると信じているが、脇腹への一撃は新たなタトゥーを彫るよりも少し痛いよ」と語り、スペインとの決勝で起用された場合はさらなる故障を恐れないでプレーすることを誓っている。(c)AFP