【6月12日 AFP】サッカー、7月7日から29日に開催される第14回アジアカップ(Asian Cup)を控え、欧州で活躍している選手を擁する日本や韓国などと、今回同大会に初参戦するオーストラリアとの対決に注目が集まる中、同時期にはいくつかの欧州のクラブがアジアに遠征を予定しており、懸念の声が高まりつつある。

 06-07シーズン、4季振り16度目のリーグ優勝を果たしアジア・ツアーを予定しているイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は、ウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)やクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)などの主力選手に加え、新加入のナニ(Luis Cunha aka Nani)、オーウェン・ハーグリーブス(Owen Hargreaves)らも帯同する予定であり、7月17日のJリーグ王者・浦和レッドダイヤモンズ(Urawa Red Diamonds)との親善試合を皮切りに、FCソウル(FC Seoul)、深セン(Shenzhen)らと対戦を予定している。

 FCソウルとの親善試合のチケット販売を担当していたインターネットの会社は、「チケットの需要は莫大だ。13万人ものファンがチケットの購入を求めていたから、瞬く間に売れ切れてしまったんだ」と語り、用意されていた6万5000枚ものチケットは、数時間の間に売り切れたことからその人気は留まることを知らない。

 しかし、アジア・サッカー連盟(AFC:Asian Football Confederation)のムハメド・ビン・ハマム(Mohammed bin Hammam)会長は、“失礼だ”とアジア・ツアーを予定しているマンチェスター・ユナイテッドを非難し、中止を要求。これを受けてマレーシア・サッカー協会(FAM:Football Association of Malaysia)は、日程が重複することを理由に現地のクラブとマンチェスター・ユナイテッドとの親善試合中止の処置を下すなど、その波紋は広がっている。

 アジアカップの存在を霞ませてしまうであろうものはマンチェスター・ユナイテッドだけではない。他のクラブが参加を予定している大会日程もアジアカップと重複しているのだ。

 1つ目がバークレイズ・アジアトロフィー(Barclays Asia Trophy)。イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool)、ポーツマス(Portsmouth)、フラム(Fulham)などが参加(7月24日から27日、香港)。

 2つ目がピースカップ・コリア(Peace Cup Korea)。フランス・リーグ1のオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)、プレミアリーグのボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)、レディング(Reading)、アルゼンチン1部リーグのリーベル・プレート(River Plate)などが参加(7月12日から21日、韓国)。

 また、7月1日にはドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が香港を訪れ、8月7日にはスペイン・リーガエスパニョーラ1部のバルセロナ(Barcelona)が日本で親善試合を予定している。

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