【2月16日 AFP】現地13日に行われたイタリア・セリエA第16節延期分のリボルノ(Livorno)戦で左膝の腱を断裂し、同14日に手術を受けたACミラン(AC Milan)のロナウド(Ronaldo)は、復帰には少なくとも9か月はかかると見込まれており選手生命の危機に晒されている。

 ロナウドの手術を受けてチームメイトのクラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)は、英国放送協会(BBC)に対し「今回は3度目だ。膝の負傷は3度目なんだ。だからこれで終わりになるかもしれないと考えている。彼は最も偉大な選手の一人であり、このような形で終わりを迎えて欲しくない」と、ロナウドの選手生活に終止符を打つ可能性に懸念を示している。

 現在31歳のロナウドは左膝の膝蓋(しつがい)腱を断裂しパリで手術を受け、復帰は早くても2008年末になると見られている。

 ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)副会長は、イタリアのANSA通信に対し「ロナウドはまだ少し痛みを感じているが、左膝の腱の状態は8年前に手術を受けた右膝の同箇所の状態よりはましなようだ」と語り、同様に選手生命の危機に晒された前回の右膝よりも状態が良いことを明らかにしている。

 また、ロナウドのキャリアが終わったか否かについて問われたミランのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は「誰にも分からない。それを知っているのはロナウドだけであり、これから何が起こるかは彼次第だ。全ては彼が何を望むのかにかかっている。時間は十分にあるので希望を見つけて欲しい。これから長いリハビリ生活が待っているが、彼は31歳という年齢はあと2、3年はプレーできることを理解している。このことをしっかり認識し、復帰したいのであればその通りのことが起こるだろう。彼はストライカーなので40歳までプレーできないことは分かっている」と語っている。

 2時間半に及ぶ手術を執刀し、1999年と2000年にもロナウドの膝を手術しているジェラルド・サイヤン(Gerard Saillant)医師は、同選手の復帰には9か月を要するとしている。

 ロナウドの復帰時期についてガッリアーニ副会長は「(ロナウドに付き添いパリに渡ったチーム幹部の)レオナルド(Leonardo Nascimento de Araujo)とは直接話をしていない。私は医者ではない。だからロナウドがどれくらいピッチを離れるか推測したりはしない。1週間程度は入院することになるだろうが、その後はミラノに戻るのかマドリードで息子と過ごすのか分からない」と語っている。

 イタリアのメディアはロナウドの代役としてイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に所属するディディエ・ドログバ(Didier Drogba)をはじめ、スペイン・リーガエスパニョーラ1部のFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するロナウジーニョ(Ronaldinho)、フランス・リーグ1のオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)に所属するカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)らの名前を挙げている。

 報道についてガッリアーニ副会長は「他の選手を連れてくる可能性を否定しない。だが夏までは待たなければならない。我々の目標はリーグ戦で4位に入り、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の出場権を獲得することだ」と語っている。

 また、ロナウドの母国ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は、復帰を願い同15日にロナウドに手紙を送った。

 ブラジルメディアにより公表された手紙でダシルバ大統領は「親愛なるロナウド、私たちは祈り全てのエネルギーとサポートを捧げたい。神のご加護のあらんことを。『やめるな、抗え、くじけるな』という数百万のブラジル国民の声に私も加わろう。君は復帰して再び勇気と忍耐を示すその一例となる。一人のフットボールファンとして、私はイタリアとブラジルのファンが再び君の並外れた能力の目撃者となることを知っている」とロナウドを激励している。(c)AFP