【11月16日 AFP】10日に死亡したサッカードイツ代表ゴールキーパー(GK)ロベルト・エンケ(Robert Enke)の追悼式が15日、ハノーバー(Hannover)で営まれ、ミヒャエル・バラック(Michael Ballack)、ユルゲン・クリンスマン(Juergen Klinsmann)氏らドイツサッカー界の関係者やファンなど数万人が参列し、最後の別れを告げた。

 ドイツ代表として2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)のメンバーに選出される可能性もあったエンケは10日午後6時前、ハノーバー(Hanover)近郊ノイシュタット・アム・リューベンベルゲ(Neustadt am Rubenberge)の踏み切りで列車に飛び込み自殺を図った。同選手は2003年以降、うつ病の治療を受けていた。

 追悼式は、エンケの所属していたハノーバー96(Hannover 96)の本拠地AWDアレーナ(AWD Arena)で営まれた。ひつぎは29日に同地で行われる予定のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)戦でエンケが立つべきだったゴール前ではなく、センターサークルに置かれた。参列した約3万5000人のファンはスタンドで、涙に暮れたり、クラブのマフラーを高々と掲げた。

 ドイツサッカー連盟(Deutscher Fussball-BundDFB)のテオ・ツバンツィガー(Theo Zwanziger)会長は、「サッカーが人生のすべてであってはなりません。少しの慈愛や信じる勇気、人々の尊厳に対する更なる理解を(ファンに対して)私は望みます」と弔辞を述べ、選手が日常的に直面している重圧にさらなる理解を示すようファンに訴えた。

 また、ツバンツィガー会長は、「もしお子さんがいつの日か代表選手になれるかどうかを考えるならば、名誉のことだけを考えてはなりません」と述べ、次なる世代のドイツ代表選手の両親に注意を喚起した。(c)AFP/Ryland James