【6月17日 AFP】サッカー、元ドイツ代表のマリオ・バスラー(Mario Basler)氏が16日、ブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)に所属しバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)への移籍が噂されるドイツ代表のFWミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)の動向について否定的な見解を示した。

 ドイツのスポーツ雑誌「スポーツ・ビルト(Sport Bild)」のウェブサイト上のインタビューに応じたバスラー氏は、バイエルンに移籍した場合オランダ代表のロイ・マカーイ(Roy Makaay)、ドイツ代表のルーカス・ポドルスキー(Lukas Podolski)らに加え、新加入のイタリア代表ルカ・トーニ(Luca Toni)ともポジションを争うことになるクローゼについて「クローゼはバイエルンで困難を抱えることになるだろう。調子を落としている現在のフォームではトーニやポドルスキーらとの競争を制してポジションを獲得できるとは思えず、チームに居場所を見つけることはできないだろう」と語り、移籍が失敗に終わる可能性が高いことを示唆した。

 05-06シーズンは25ゴールを記録しリーグ得点王に輝いているクローゼは、4月29日のアルミニア・ビーレフェルト(Arminia Bielefeld)戦でのゴールを最後に得点を挙げることなくシーズンを終えるなど06-07シーズンは13得点に終わっている。また、07-08シーズン終了後にブレーメンとの契約を終える同選手は、同シーズン後に移籍金なしでバイエルンに加入する考えと自身の将来がバイエルンと共にあることを公言しており、4月にはバイエルンのクラブ首脳と移籍に向けて交渉の機会を持っていたことが発覚して両クラブに対して謝罪するなどブレーメンでは不安定な状況に陥っている。

 自身も現役時代ブレーメンからバイエルンに移籍した経験を持つバスラー氏は「不調のシーズンを過ごしたクローゼは、ピッチを離れても多くのミスを犯してしまった。自身が口にしていたような成績を残せなかった上にサポーターとの間に大きな問題を抱えてしまい、ブレーメンに残ったとしても上手く行かないだろう」と語り、クローゼの将来を不安視するコメントを発している。

 06-07シーズンは4位と過去7年で最低の成績に終わったバイエルンは、シーズン終了後にトーニとフランス代表MFフランク・リベリ(Franck Ribery)を相次いで獲得するなどチームの大幅な刷新を図っており、06サッカーW杯で5得点を記録し大会得点王に輝いたクローゼにもその触手を伸ばし、カール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)会長は移籍金1000万ユーロ(約16億円)のオファーを提示したことを明らかにしているが、ブレーメン側は少なくとも1500万ユーロ(約25億円)を要求している。

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