【9月18日 AFP】ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のビル・ベリチック(Bill Belichick)ヘッドコーチに50万ドル(約5700万円)の罰金を科したNFLは、依然として問題となったペイトリオッツのビデオ撮影によるスパイ疑惑の調査を続けている。

 ペイトリオッツは現地9日に行われたニューヨーク・ジェッツ(New York Jets)との2007年シーズン開幕戦でジェッツのコーチが選手に送った攻撃もしくは守備のサインをビデオテープによって撮影した行為がリーグの定める試合規定に違反したとされた。

 NFLのコミッショナーを務めるロジャー・グッデル(Roger Goodell)氏は現地13日、ベリチックヘッドコーチに罰金を科し、さらにペイトリオッツに対しても25万ドル(約2800万円)の罰金を科し2008年のドラフト権を剥奪した。またグッデル氏は応じなかった場合、ペイトリオッツに対し所有するビデオと今後撮られるであろう全てのビデオテープの提出を要求し、また新たにペナルティを科すことを約束した。

 現地16日にグッデル氏は米国テレビ局NBCに、今後もペイトリオッツへの調査を続けていくことを約束し、また全32チームにおいても相手チームのサインを盗む行為が行われていたか否かを調査することを明かした。今後さらなるペナルティを科す考えを問われたグッデル氏は「新たに私の知らない情報が今後出てくれば当然だ」と語っている。

 ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト(Robert Kraft)氏は、16日に行われたサンディエゴ・チャージャーズ(San Diego Chargers)戦のハーフタイムにNBCへ、「こうした行為について全く知らなかった。とても落胆している」と語り、NFLの規定を破ったベリチックヘッドコーチへ失望を明かした。

 当初グッデル氏が科したペナルティを厳しすぎると感じていたがクラフト氏は、「ペナルティの内容を知ったとき、私はとても混乱し不安に駆られた。なぜなら今回の件がそれほど重いペナルティに値するとは思わなかったからだ。しかし2、3日間考えてみて冷静になれた。グッデル氏は我々だけに警告を与えたのではなく、全32チームに対して警告を発したのだと認識した。グッデル氏はNFLのコミッショナーであり、このスポーツの品位は彼の肩に掛かっている。彼は全てのチームに対して警告を送っていたのだ。私はその考えを支持する」と試合規定を強化しようとするグッデル氏への支持を示した。(c)AFP