【9月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のジェンソン・バトン (Jenson Button、英国)が、キミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)を復帰させたフェラーリ(Ferrari)について言及し、逆効果になる可能性があるとの見解を示した。

 バトンは、すでにリードドライバーとしてフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が君臨するフェラーリに元年間王者のライコネンが再加入することは、ほかのチームにとっては追い風になるかもしれないと語っている。

 22日に決勝が行われる13F1第13戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2013)を控え、バトンは「僕らにとってはありがたい」とコメントし、フェラーリが来シーズンに迎えるであろう困難を予想した。

 33歳のバトンは、2人を夢のペアと見なすことに疑問を呈しており、年間王者2度の実績を持つアロンソと、フェラーリで2007年シーズンを制した「アイスマン」ことライコネンが協力し合うのは難しいとみている。

 バトンはAFPに対して「フェラーリの状況にはもちろん注目している」とコメントした。

「フェラーリは何年もの間、非常に速いドライバーを2人抱えてきたが、シーズンのポイントとなるレースでは、1人がもう1人を助けていたように見える」

「ライコネンとアロンソではそういった関係は作れないはずだ。彼らがもう一方を助けようとするとは思えない。2人とも何かを手にしたことがある場合、ドライバーはチームメートを助けようとは思わないものなんだ」

 年間王者に7度輝いたミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏も、2人の関係は「危険をはらんでいる」と警告しており、レッドブル(Red Bull)のアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ(Helmut Marko)氏は、我の強いドライバーのデュオはチームを崩壊させる恐れがあるとコメントしたという。

 バトンは来季のフェラーリについて、ライコネンが加入した後は、アロンソがチームに長く在籍しているという利点を生かし、スタッフを自分側に引き込もうとする可能性があるとコメントした。

 チームスポンサーであるエクソンモービル(ExxonMobil)のプロモーションイベントに参加したバトンは、「キミがドアをくぐったら、フェルナンドは間違いなく、チームの全員にイタリア語で話しかけるようになるだろう。僕だったらそうする」と語った。

「2人の間には、おもしろい空気と関係性ができるだろう。キミがフェルナンドと同じくらい速ければなおさらだ。フェルナンドを上回り始めたら、大変なことになるだろうね」

(c)AFP