【7月1日 AFP】30日に行われた13F1第8戦英国GP(British Grand Prix 2013)の決勝でピレリ(Pirelli)社製のタイヤが相次いでバーストしたことを受け、7月行われる若手ドライバーによるF1テストで包括的なタイヤ試験が行われることを、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦しているチームが要求した。

 激戦となった英国GPの決勝では、4つのマシンのタイヤが破裂したことで混乱と議論が巻き起こった。ドライバーは現在のタイヤの質を「許すことはできない」と批判し、これを受けて、レッドブル(Redbull)とフェラーリ(Ferrari)が直ちに対処するよう促した。

 フェラーリのステファノ・ドメニカーリ(Stefano Domenicali)代表は、「F1全体の関係者が一致団結して解決していかなければいけない問題だ」と語り、「これは話し合って決めなければいけないことだが、ひとつ考えがある。シルバーストーン・サーキット(Silverstone Race Circuit)で行われるというヤングドライバーズテストでタイヤの試験を行ってはどうか」と提案した。

「このトラックがタイヤに与える負荷は大きい。これを踏まえた上で我々ができることは、このテスト期間を使ってピレリと協力のもと、問題を解決することだ。この試験にはレースドライバーを使うべきだと思う。ドライバーたちにとってもとても重要なことだから」

 また、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、「数週間後に行われるテストは若手ドライバー向けということだが、レギュラードライバー、もしくはテストドライバーも参加できるようにするべきだ。彼らが実際に体験した問題も含め、ピレリに適切な意見を提示することができるはずだ」とコメントした。

 英国GP決勝では、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)、マクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のセルジオ・ペレス(Sergio Perez)、フェラーリのフェリペ・マッサ(Felipe Massa)、トロ・ロッソ(Toro Rosso)のジャン・エリック・ベルニュ(Jean-Eric Vergne)のマシンのタイヤが破裂し、危うく大惨事となるところだった。

■「赤旗を出す寸前だった」、と技術責任者

 F1技術部門の責任者、チャーリー・ホワイティング(Charlie Whiting)氏は安全面を考慮して、レースを中断することをも考えたと話す。

「赤旗を出す寸前だった。レースを止めようという考えは頭をよぎった」

 問題があとひとつ発生していたら、レースを中断していたかという問いに対しては、「具体的な数字を言うつもりはない。しかし破片を片付けるマーシャルを危険にさらすことになっていた。リスクを取ることはしてはいけない」

 またホワイティング氏は、国際自動車連盟(Federation Internationale de l'AutomobileFIA)が解決に向けて一歩前進するためには、ピレリから今回の問題の原因を聴取しなければいけないと話した。

「結果を下すには時期尚早だ。彼らは故障しなかったタイヤなどの調査を含め、多くの分析を行わなければいけない。故障寸前のタイヤがあれば、何が起こったかについてもっとよくわかるかもしれない。しかし、これからどうなるか、何をしなければいけないかは今のところわからない」

 レースではメルセデスAMGのニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)が優勝を飾ったが、同チームのハミルトンはタイヤバーストから持ち直して4位に入り、大いに喝采を浴びた。(c)AFP