【4月20日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)第4戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2013)を21日に控えるバーレーンで19日、F1の開催に反対する反政府側の支持者と警察が衝突する事態が発生した。

 革新派の支持者が同日、首都マナマ(Manama)の旧真珠広場(Pearl Square)でデモ行進を計画していたところ、警察隊に阻止され衝突は起きた。

 目撃者の証言によると、警察は催涙ガスやバードショット(鳥用の散弾銃)を用いて、デモ隊が広場を訪れる前に強制排除した。それに対抗したデモ隊は、警察に火炎瓶や石で応戦したとともに、タイヤを炎上させて主要道路を封鎖したという。

 デモ集団は「お前たちのレースは罪だ。血に塗られたF1はいらない」と声を上げて叫んだ。

 この騒動を受けて、国際自動車連盟(Federation Internationale de l'AutomobileFIA)とF1の興行権を持つFOM(Formula One Management)は共同声明を出し、「地元の興行主と関係当局によって安全性がすべての参加者に対し保証されたため、バーレーンGPは今週末開催されると認識している」と発表した。

 同日にはF1のフリー走行が行われていたが、騒動はサキール・バーレーン・インターナショナル・サーキット(Sakhir Bahrain International Circuit)から離れた場所で起こったため影響を受けなかった。

 米国軍の第5艦隊の司令部が置かれるバーレーンでは、2011年2月に1か月間の「バーレーンの騒乱」が勃発した。この騒乱はサウジアラビア軍を主力とする合同軍によって鎮圧されたが、シーア派が支配しているイランからペルシャ湾を隔てて位置するバーレーンでは現在でも散発的にデモが行われており、人権団体によると2011年2月以来、80人もが暴動で死亡している。

 2011年の騒乱の影響で、その年のバーレーンGPは中止となったが、2012年には開催されている。(c)AFP