【5月16日 AFP】フォーミュラワン(F1)世界選手権に参戦するフェラーリ(Ferrari)が15日、国際自動車連盟(Federation Internationale de l'AutomobileFIA)の提案しているルール変更の差し止めをフランスの裁判所に請求したことが明らかとなった。

 新たな規則の根本的な改革がなければ今シーズンを最後に選手権から撤退することを示唆したフェラーリ、ルノー(Renault)、トヨタ(Toyota)、そしてレッドブル(Red Bull)の4チームは、来シーズンから課される任意の年間予算4000万ポンド(約59億円)の上限は、賛同したチームだけに有利に働くと主張している。

 この問題に関して、FIAのマックス・モズレー(Max Mosley)会長とFOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)会長、そして各チームの社長らがロンドン(London)のホテルに集まり会合を開いたが、討論が終わっても解決策は見つからず、数チームは場所を移して代替案について議論した。

 モズレー会長は「我々が行いたいことを阻止しようとフェラーリがフランスの裁判所へ差し止めを請求したことが、会合中に明らかとなった。友好的な会合だったが、数チームは予算を制限するよりも効果的な案を模索するためその場を後にした。しかし、我々は彼らにそんなことは不可能だと伝えている。劇的にコストを減らそうとするのなら、コスト削減以上に優れた方法はない。だから彼らがよく考えれば賛成するだろうと思っている。彼らが最終的に立ち去ってしまったら驚きだ」と話している。

 エクレストン会長は、すべてのチームが1つの規則の下で走ることに賛同し、選手権が2重構造となる恐れに歯止めをかけたと明かした。

 英国放送協会(BBC)に対しエクレストン会長は「私は混乱が起きた一番の要因が二重のテクニカル・システムにあると考えている。規則は1つあればよいはずだ。予算制限には多かれ少なかれ誰もが満足しており、問題は金額だろう。それが高いか安いかの問題なのかは私には分からないが、そういったケースのものだ」と話している。

 新規則に反対している4チームは、予算制限を受け入れるチームが現行のマシンの仕様では禁止されているような多岐にわたる技術面での利益を得ることとなり、これが不公平なアドバンテージになるとしている。

 予算制限に頭を悩ませるチームがある中、以前F1に参加していたローラ(LOLA)がF1界復帰の構想を立てていることを示唆している。(c)AFP