【7月10日 AFP】2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)は9日、第10ステージ(サン・ジルダ・デ・ボワからサン・マロ、197キロメートル)が行われ、アルゴス・シマノ(Argos-Shimano)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)がステージ優勝を飾った。

 キッテルが集団スプリントで力を見せ、劇的な勝利を挙げた一方で、オメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)はアルゴス・シマノのトム・フィーラース(Tom Veelers、オランダ)の落車に関与した件での処分を免れた。

 キッテルは、ロット・ベリソル・チーム(Lotto Belisol Team)に所属する同じドイツ出身のアンドレ・グライペル(Andre Greipel)をかわしてステージ制覇を果たし、第1ステージに続く今大会2勝目を挙げた。

 総合首位に立つスカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は、スプリンターたちのすぐ後方でフィニッシュし、2位に付けるモビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)との1分25秒差を守った。カヴェンディッシュと接触したフィーラースが地面へ打ちつけられたものの、フルームは幸いにもその影響を逃れた。

 落車したフィーラースは重傷ではないものの「打撲と切り傷を負った」こと認め、「録画映像を見れば、彼(カヴェンディッシュ)のせいで僕が落ちたのは明らかだと思う」とコメントした。

 しかしながら、カヴェンディッシュを失格にすべきかという問いに対しては、「それは審判員に任せる。僕は判断する立場にない」と答えるにとどまった。

 キッテルの先導役を務め終え、スピードを緩めていたフィーラースは、右側からカヴェンディッシュに割り込まれ、気づけば猛スピードで地面にたたきつけられていた。

 しかしながら、審判員長はカヴェンディッシュの行動に問題はなかったと明言した。

 審判員長は、「キッテルを送り出す仕事を終えたフィーラースは、疲れて下を見ていた。誰かに原因があるとするなら、それはフィーラースになる」とコメントした。

「アルゴス・シマノからの抗議は受けていないが、処分や失格はそもそも考えていない」

 一方、ツールで通算24個のステージ優勝を飾っているカヴェンディッシュは、レース後、自身は無実であると宣言した。

「競技役員はもうすでに、僕のせいということにしているけど。向こう(フィーラース)が少し右に、僕が少し左に動いていたのは見れば分かるはずだ。車輪にぶつかりにいったわけじゃないし、道を走っていただけなんだ。とにかく、触れたのは腕だよ」

 チーム・ユーロップカー(Team Europcar)の新城幸也(Yukiya Arashiro)はタイム差なしのステージ169位に入り、総合順位は首位から55分14秒遅れの80位となった。

 第11ステージ(アヴランシュからモンサンミッシェル、33キロメート)は、個人タイムトライアルで争われる。(c)AFP/Justin Davis