【7月4日 AFP】2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)にただ一人の日本人選手として臨んでいる新城幸也(Yukiya Arashiro)は、3日に行われた第5ステージ(カーニュ・シュル・メールからマルセイユ、228.5キロメートル)で際立ったパフォーマンスをみせ、メディアやファンから大きな注目を集めた。

 今年の全日本自転車競技選手権大会(82nd Japan Cycling Championships)のロードレースで自身2度目のタイトルを獲得した新城は、序盤に逃げを打った6人の集団の一人として、一時はメイン集団に約13分差をつけた。

 この差は徐々に縮まり、残り7キロメートルのところで新城は集団に吸収され、ステージ優勝はオメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)が飾った。

 しかしながら新城は、4級山岳のコート・ドゥ・ラ・ロクブリュッサンヌ(Cote de la Roquebrussanne)で山岳ポイント1点を獲得し、時差がありながらもTV中継を通して声援を送った母国日本のファンや、地元のファンから喝采を浴びた。

 所属するチーム・ユーロップカー(Team Europcar)のチームバスでメディアに対応した新城は、「太陽の下、海を臨みながら。良い一日でしたね。このままフィニッシュまで行けるという思いがよぎったので、残念でした。今、日本のテレビ局のインタビューに答えましたが、終盤、彼らは本当に応援してくれてたようで、僕の走りを喜んでくれました」とコメントした。

 大会4度目の参戦を果たした新城は、初出場となった2009年大会(2009 Tour de France)では日本人選手として初めて大会を完走した。今回と同様、地中海を臨む平坦なコースで行われた同年の第2ステージで、新城は5位に入った。同ステージでもカヴェンディッシュが優勝を飾っている。

 この日は残り250メートルでのクラッシュもあり、新城はトップとタイム差無しでフィニッシュした。総合順位では、オリカ・グリーンエッジ・サイクリングチーム(Orica GreenEDGE Cycling Team)のサイモン・ゲランス(Simon Gerrans、オーストラリア)から3分42秒差の71位に付けており、2012年大会(2012 Tour de France)での総合84位よりも上の順位を目指す。

「こちらには多くの日本人記者やファンが来てます。日本の国旗もよく見てますし、それが後押しとなり、さらなるモチベーションを与えてくれるんです」

(c)AFP/Andy Scott